イベントフルでアップダウンの激しい日でした。午前はモータウンアンサンブルの最終リハ。最初の曲以外でベースを弾くことを確認。リハ自体はおれもみんなも、あまり気合が入らないまま終わってしまった。あとで地獄を見た。

アレンジングはファイナルレビューのはずが、もうすでに録音まで終わらせてる優等生がふたり、レビューできる素材すら持ってこなかった人もふたり、ジェリ先生も少し困惑ぎみだけど、「夏セメだからしょうがないわね。来週まで締め切り伸ばします」とのジャッジ。おれも不完全だったので助かったといえば助かった。あと来週のテストにカンペを持ち込んでいいというお達しがあって、教室がどよめく。ただし手書きでノートの1面のみ。「うまく要点をまとめて一生懸命作りなさいね。実質カンペ作りがテストよ!」なるほど。

そのあと英語。学級崩壊ももはや定着化し、毎度チャチャを入れまくるヨウちゃんは実は中国で英会話の塾講をしていたので授業はぜんぶ楽勝で、そのぶん先生いじりに余念がないという手に負えないタイプ。最初のうちはくそまじめなジュリー先生が気の毒だったが、最近はジュリーも個性を出し始めていて、今週はとうとう教室でFワードを口にした。動物園か。

校舎の中庭でしばし仲間とハングアウト。すごく忙しい日だったのに、普段よりのんびりした時間がぽっかり差し込まれて、不思議な感じ。ジョー、ヴォルト、ハック、あと最近友達になったパラナフとかやってきて、俺はもう眠気と疲労で朦朧としてきて、ゴロリ寝転がってひさしぶりに空を眺めたり、くだらない話ばっかりしていた。

ウチダの1階のリサイタルホールに向かい、リハ。本番の時間になってラリーがMCを始めるんだけど、興が乗ってきてモータウンの歴史についてえんえんしゃべり始めてしまい、舞台裏はこれどうなるんだって雰囲気に。でも定時ではまだ客がまばらだったのを見て、引き伸ばしてくれたのかもしれん。好意的に捉えれば。

それで本番だけど、まず自分のことを言うと、繰り返しの回数を間違えて次の展開に行くという単純で巨大なミスをしたのと、あとミンジェイが急遽譲ってくれた曲のディテールがちゃんとさらえてなかったり、けっこうボロボロだった。演奏中にリーダーのディージェイに首かしげながら見られて、消えてしまいたい気持ちになった。ただ俺だけじゃなくみんなそこそこに大きなミスを連発し、総じてボロボロだったw。BPCの大きなステージを終えて気が抜けてしまったのかもしれない。

その点レジデントでラリーのバンドをやってるディージェイとミンジェイはミスをしないのですごい。ミスをしないというのは次のステップに進む大きな境目だよなーと思う。そしてディージェイがしつこいくらい影で曲をさらってるのを見かけていたので、やっぱり自分は真面目さが足りないのだと思う。奥さんとかディアントニとか見に来てくれたのにメロメロの演奏を見せてしまって、終演後みんな褒め称えあってるんだけど、たいへんに居づらかった。

なんだかんだあったアンサンブルだったけど、結局は自分の姿勢がしっかりしてないとダメだなーという基本的なことを痛感させられた。あとここに至るまでのいろんな場面で変に疑心暗鬼になってしまったのも、なによりコミュニケーション不足、ひいては自分の語学力が主要因であったので、その点もなんとかしないと未来がない。反省ばかりでしんどいけど、成長しないとここにいる意味がないし、いますぐにでも切腹したい気分だけど、こらえて、前進するしかない。

さて最初に書いたように今日はイベントフルで、クライマックスがまだ控えていました。帰宅したらセドリックから歌を乗せてミックスした音源が届いていて、クタクタの状態でダウンロードして聞いたんだけど一気に目が覚めた。おれがソフトシンセだけで1時間ちょっとで適当にこさえたトラックが、劇的に良くなって送り返されてきたのだ。一瞬ぜんぶ差し替えたのかって思ったくらい、信じられないレベルに仕上がっていて、アホの子みたいなことを言うけど、プロの音源みたいになっていた。

歌はもともとうまいのは知ってたし想定範囲内だったのだが、とにかくミックスが飛び抜けている。正直彼をみくびっていたというか、こんなことができるとは思ってもみなかった。ひとつひとつの音のなじみがよく、出るとこは出る、引っ込むとこは引っ込むでメリハリがついていて、総体としてほんとにラジオから流れてくるような音になっていた。とにかく特別な機材やプラグインを使ったわけじゃなくて、ロジック上の操作だけでここまで向上しているのだ。明日どういう魔法を使ったのか聞き出さなくてはならない。

よくみんなミックスは大事だって口にするけど、自分の音がここまで変わる体験を実際にしてみると、ほんとに腰抜かすくらいびっくりする。そして自分の至らなさ、何もできなさを痛感させられる。とにかく今日は、よろこんでる余地もないくらい無力感にまみれた長い1日だった。演奏も作曲もプロダクションもろくにできず、何一つ人より優れたところもなく、この先なにをどうしたらいいのか、もうすっかりわからなくなってしまった。ただ別に落ち込んではいないので、不思議な感じです。