土曜は日本人コソ練ジャム、おれは前回と打って変わってまったく闊達に弾けなかった。軽く落ち込みつつ履修の準備など進める。日曜は寝倒して、晩にのんちゃん、みさちゃんと奥さんとでビーコンの牛角に行く。こないだお茶したときにマジかよ牛角あるんだ行こう行こうと盛り上がったのだった。日本だったら光速で席を立ってるレベルの肉質と高価格だったが、なにしろ焼肉が物珍しいので大いにエンジョイした。食後うちでハングアウト、深夜にレゲエ・ダブステップのイベントがあるというので繰り出したが、日曜のせいかすでに終わっていて、お開き。

肉を焼きながら話していたのだが、たまに他の在米留学生のブログとか読んだりすると、なんかの弾みでバカにされたり小突かれたりみたいな話を見つけてしまってゾッとする。われわれこの学校で、不便な思いこそあれど、いじめられたりハブられたりとか、そういうタイプの嫌な思いはついぞしたことがない。ひとつにはわれわれがそこまで深く学生のコミュニティに溶け込めていないせいもあるかもしれないが、それ以上にここが音大であって、ここにはアメフト部もチアリーダーもいない、という点が大きいのではないかと思った。

性別や肌の色を問わず、うちにいる子たちはピアノが触れて中等以上の音楽教育を受けていて音楽にのめり込んでいて、そういう子の多くはたぶん、高校生まではスクールカーストの外側でちょっと居心地わるく過ごしていたのではないだろうか。glee見ればわかるとおり、高校生にとってピアノが弾ける男子なんて女々しく映るし、ギターやりこんでればオタクだし、カルチャーにのめりこんでること自体がウィアードなことなんだと想像できる。別に表立っていじめられっ子だったりしなくても、少なくとも学校の主流派ではなかったんじゃないかな。

そういう、ゴーストワールドほどじゃなくともちょっと肩身の狭い思いをしてきた子たちだから、いまここでいたわりあってるし、留学生だってアジア人だって邪険にしないでいてくれるのかなあと、そう思うのでした。あとサンダース支持で当然でしょ、くらいの雰囲気あるしね。とりあえずアメフト部もチアもトランプ支持者もいる普通の学校よりは、ずっと快適で留学先としてはおすすめなんじゃないかと思っています、音大とか芸大。そのぶん、これがアメリカの実社会だとはこれっぽっちも思ってはいけないわけだが。