イヤトレはメトリックモジュレーションつづきと、後半はパットメセニーのビデオを見るだけのちょっと楽な授業。なんでメセニーかというと、先生が見せたいのはリチャード・ボナなのだった。ボナは基本的にソロのフレーズをすべて歌いながら弾く。マイクが拾ってないときも歌ってる。その歌=指=脳がコネクテッドされた状態がソルフェージュのひとつの理想形なのだと。おれもいっときフレーズを全部歌いながら弾く練習をしたことがあるけど、飽きてやめてしまった。あれまた復活させてみようかな。

ハーモニーはアースのafter the love has goneのアナライジング。デヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンのエアプレイコンビが書いたおもしろAOR。日本人にとっては洋モクのCM曲にしか聞こえないが、アメリカ人にどう響くのかはいまいちわからなかった。あんまりシニカルな受容はされてないように思う。あと宿題の習作披露、誰のものとも言わずに先生が習作をピアノで弾いていく。手癖で渋谷系っぽいというかシンバルズっぽい転調を書いてったのだが、すごい高度なジャズの進行を書いてきた子が、こういうの書けないんだよねーって言ってたのが不思議というか得手不得手があるんだなーと思った。

フライデーイヤトレ、有名な教本を書いたロベルタ女史が先生だったんだけど、あんまりに基本的すぎてつまんなかった。ただなんかやたら気に入られて、授業後呼び止められていろいろ話した。授業後、ライティングオフィスに、プロジェクトバンドの予約に行く。プロジェクトバンドというのは奨学生中心に組まれている学内の頼まれバンドで、譜面さえ用意すればタダでなんでもやってくれるのだが、譜面はホチキス止めではダメでフォルダーに入れて来いとか予約の手続きが結構細かくて、しかも受付係がダメなところを一度に言わないもんだから、3回も出たり入ったりやり直してブチ切れそうになった。

専攻をいよいよ決めないといけない。べつにずっと決めなくてもいいのだが、そのぶんあとあと単位に無駄が出てきて、コンパクトに卒業したい派の自分としてはよろしくない。自分としてはこのまま楽器の練習をメインに続けながら、弦と管とバックグラウンドボーカルのアレンジを少し、あとPAのエンジニアリングを少し学びたい感じ。演奏メインのPerformance Majorだと、ほんとに楽器のことだけになっちゃってちょっと寂しい。かといってがっつりライティング方面の専攻に行っちゃうとプレイベートレッスンが取れなくなっちゃうので、それも寂しい。

そこで浮上したのが、Professional Musicという、陰で「バークリーのゆとり教育」と呼ばれてるとかいないとかw、他の専攻が作曲とか演奏とか教育とかビジネスとか明確な軸を持っているのに対して、名称からしてぼんやりした、鵺のような専攻である。バークリーでは卒業単位のうちおよそ30単位が専攻に割り当てられているのだけれど、ProMusicは30のうち8単位しか独自の科目がない。あとはビジネス2+演奏2+テック2で6単位、残りの16単位は他の専攻から好きなようにかき集めてくるという仕組み。その計画書を提出して、認められれば専攻が決まるのだという。

大河くんに紹介してもらい、深夜にProMusicの先輩をチャットで捕まえて相談。わかったのは、いいところは先述のとおり自分の好きなようにカリキュラムをカスタマイズできるところ。悪いところは各専攻の奥の方にあるおいしい科目が取りづらいこと。たとえばライブPA実践。このクラスの受講条件はミキシング応用をパスしてることで、ミキシング応用の受講条件はミキシング基礎をパスしてることで、ミキシング基礎の受講条件は音響基礎をパスしてることなんだけど、つまりお目当ての科目を取るまでに少なくとも3学期は別の科目を履修しなければならず、多分野つまみ食いではなかなかそこまでたどり着けない。ただしそれも、教授との相談次第らしい。なるほどー。