起きたら本格的な雪景色。ソレル初出動である。重くて歩きにくい代わりに無敵感がある。ソレルのカリブーはよくレビューサイトとかにワンサイズ上を買うべしとか書いてあるけど、おれは普段のサイズ(7 1/2)でもまだでかくて、ワンサイズ下の7を買いました。参考まで。カナダグースとソレルのコンビネーションはボストンでは制服レベルの定番で、没個性のきわみなれど安心感には勝てないのであった。でもカリブーは大げさすぎた。街中では1964のほうがずっと多い。

きょうもイヤトレ4とハーモニー3。イヤトレはまた代講の先生だけど今日は教科書から小テスト的に歌わされた。おれは簡単なところを当てられたのでノーミス。ハーモニーがボロボロ。なんらかの応急処置をしないとならない。具体的には日本語で書かれた教科書を手に入れて理解しておかないとやばい。雪がどんどん強くなってきて、買い物がえりの奥さんと落ち合って帰るころには吹雪になってしまった。帰宅したら学校からメールが届いていて、午後休講とのこと。自分は午後なかったのでラッキーだった。

先生の事情なんかでの休講は補講があるのだが、天候要因の休講は補填がない。また金の話で恐縮だが、みんなこの授業が50分100ドルオーバーなことを理解しているので、多くの生徒はジーザスとかつぶやいている。ただ理解が付いてってなかったり宿題が鬼溜まっている生徒は、心のなかでガッツポーズである。この隙にキャッチアップして立て直すのだ。おれもほんとはハーモニー、理解に時間がかかるうえに暗記が加わるのでね、休みがほしい。

いったん寝て起きると、雪はあっさり止んでいた。晩に、ナターリアのホームパーティに誘われていたのだった。雪を理由に断ろうかととも思ったのだが、止んでしまったのでなあ。意を決して赴くことにする。オールストンにある3人のシェアハウスは、さすが郊外、広かった。1階の住人とルームメイトのふたりが全員出払っているということで、もう1人の主催者であるピアノのミゲルが、ちょっと引くくらいの音量でサンダーキャットを掛けている。これ苦情来るな。

しばらくすると、セバス、ネイト、コータ、サムら知った顔に加えて、初対面のバークリー生がどんどん増えてきて、もう覚えられなくなってしまった。アンソニーガボ、アナーニャ、マルティネスはそこそこ喋れたので覚えた。あとキャシディというテキサスの黒人女性が来ていて、ゴスペルディーヴァ来た!と思って話しかけたら、専攻はチェロでずっとクラシック一本槍で育ったと聞かされて、自分の決め付けがちょっと恥ずかしくなった。それにしても英語力がもう圧倒的に足りない。そもそも日本語だってパーティトークが苦手なわけだが。

12時を過ぎたあたりで、そろそろ帰るべかなーと思っていたら、暗い部屋でナターリアとミゲルがひそひそ話をしている。どうしたの?って聞いたら、さっき入ってきた男女4人が、誰かわからないし、誰が呼んだのかもわからない、でも追い出したりしたらケンカになりそうだし、お酒は足りなくなってきたし、どうしよう、と話していた。うわー、ありがち!特に何の救いも差し伸べられずに帰ってきてしまった。

LA出身と言っていたナターリアだけど、ガボが言うには10年くらい前にメヒコから家族で移民してきたそうで、彼女が他のアメリカ人よりずっと社交に熱心で、留学生とも積極的に交流するのも合点がいった。彼女は学校でもずっとメッセンジャーぷちぷちやっていて、パッと顔を上げてはハーイって知り合いとハグして、またメッセ送って、ちょっと軽くしんどそうだな、と見えるときがある。でも彼女にとってはそれが普通なのかもしれないし、それ以上に若い女子ってもんはみんな大なり小なり強迫的な存在なのかもしれない。