駆け込みセーフでイヤトレ4。Twitterで少し書いたけど、こっち来てみるとバークリーメソッドっていう言葉はついぞ聞かない。それに相当する授業はハーモニーと呼ばれている。そんでもってまた、ここが肝要なのだが、バークリーシステムって言葉は耳にするのだ。それが何を指すかというと、全学生必修とされているハーモニー、イヤートレーニング、アレンジングの3つのコアカリキュラムによる基礎音楽教育のことだ(これに専攻科目まで含めてバークリーの教育全体のことを指す人もいるようだけど)。

それで、だんだんわかってきたんだけど、この3つは相互補完的というか、三位一体感がすごいあるんだよね。イヤトレの最中でハーモニーの知識が「そういうことか!」って急にわかったりする瞬間がある。これは俺の解釈だけどアレンジはハーモニーを社会化し、イヤトレはハーモニーを肉体化する機能を担ってると思う。ちなみにアレンジとハーモニーは週2枠、イヤトレは週3枠。そこからもわかるように、イヤトレがでかい存在だし獲得に時間かかるなーって日々感じている。音大や専門学校に行かずに自分でバークリーメソッドだけマスターしたって人は、イヤートレーニングをやると格段に実用度が増すと思います。

さて今日のイヤトレ、スコット先生は用事でお休み。代わりの先生、代講だからって自由にしゃべりまくってめちゃくちゃ面白かった。イヤトレの上達ティップスみたいのを次々教えてくれたかと思えば、突然落語みたいに小芝居が始まり、熊さん八っつぁんよろしくハイドンドビュッシーがセブンスやテンションを発見した経緯を、マンガはじめて物語みたいに目の前で再現してみせてくれる。先生いわくテンションはメロディの係留によって発見されたという(ハーモニーではアベイラブルスケールから導出されると教わる)。実際に曲を弾き、ほら、ここの部分がテンション感覚でしょ、って例示してくれた。面白かったけど教科書の進みはゼロw。

そしてハーモニー3、いよいよ付いていけなくなってきた。エクステンドドミナントのアナライジング、家に帰ってから日本語で理解しなおさないとダメな状態。あとイヤトレ3をやっていないせいで、オルタードとシンメトリックドミナントの聞き分けができない。逆戻りだけど次の学期でイヤトレ3取ろうかと思う。バークリーのシステムは2年=4学期かけて順番を追ってやれば誰にでも絶対マスターできるように巧く構成されているのだが、自分のようにいきなり最終学期のクラスに放り込まれると、穴だらけで理解がほんと追いつかない。でも基礎に2年かけてる時間ないんだ、おっさんには。

お昼ご飯、ハーモニーで一緒だったジョーダンfromオーストラリアに誘われて、学食で食べる。フーちゃんとヨンさま合流。やっぱ飯コミュニケーションでかいなーと思った。知らなかった情報をいっぱい得た。最近合併が進みつつあるボストン音楽院の子はクラシックだからおしとやかで狙い目とか、そういうどうしょもない話だけど。ジョーダンとは音楽の趣味がめちゃくちゃ合うのでバンドやろうぜという話をしている。ヨンさま「おれ韓国にいたときはキムチ嫌いだったんだよ、臭いしダサいし。でもいまじゃ食いたくて死にそう。昨日Hマート(韓国系スーパー)見てきたんだけどぜんぜんガチなのがなくて!もう自分で漬けるしかない」「寮追い出されるぞ!」で爆笑。

食後にラーニングセンターでESLの宿題をプリントアウト。プリンターが必要な場面がちょいちょいあるんだけど、どうしても買う気になれないので学校で済ませている。そのラーニングセンターの下にあるメディアセンターは椅子が良くて静かで寝られる、最近お気に入りの場所。いまのところ爆睡しても怒られない。今日は寝るどこじゃなく宿題を片付けて、そのまま授業へ。「発音はやらないって言ったけど、ゲン、君にはどうしても言わなきゃならない問題がある。バークリーって言ってみて」ばーくりー。「うん、それだと君は自己紹介の瞬間に、オハイオだかにあるバックリー大学の出身者ということになる。うちのクソ高い学費をドブに捨てるつもりかい?」みんなの前で20回くらいバークリーって言わされた。くそーw。