ほんとはその日みた夕日のことや気温がどうだったとか帰りに見かけた犬のことだったりとか、そういうことを書きたいのだけれど、残念ながら時間が経ってしまうとそういうことは完全に忘却の彼方へ旅立っていて、スケジュール帳に書かれている予定からわずかな記憶をたぐっていくしかない。この日は建築家の清水と新オフィスの相談をしたことになっているのだが、一切の記憶がない。もうおれはだめだ。