惰眠を貪ったのち、遅めに駒沢。様子がおかしい。公園管理の警備員がトラメガでなにやら喚いている。柵の外でスケボーするなと言っているようだ。これまでストリートスポーツ広場前のオープンスペースは、フラットの練習やBMX諸兄の溜まり場、そしてパークに入るにはまだちょっと気が引ける子供や初心者の慣らし運転の場になっていたのだが、それを禁止したいらしい。いつもの楽しげなパークが、不穏なムードに包まれている。

警備員は顔なじみなので話しに行く。どうしたの突然?「管理事務所に苦情の電話がひっきりなしに入っていて」「上の人が怒ってしまって、柵の外で滑ってるのを見たら即注意、そうじゃなくても5分に1回アナウンスしろと言われてる」なんだそれ。いままでうまくやってきたじゃんか。「そうだけど、本来のルールは柵の外はスケボー禁止だから、言われると対応しないわけにいかない」。

つらつら雑談して聞き出すに、このスケートパークの存在自体を心良く思っていない近隣住民がいて、それが攻撃材料として柵の外での滑走に目を付けて、管理事務所に電話しまくってる模様。ルール違反を放置していると責められると、公園側も問題にされたくないから、締め付けざるをえないのだと。

駒沢公園のスケートパークが現在に至るまで辿ってきた経緯は、おれがここで知ったかぶって開陳するのは気が引ける。ググれば出てくる。とにかく長年にわたるローカルの情熱と根気、管理事務所側の寛大さで、不法占拠からスタートしていまの立派な、各地から人が集まってきすぎるくらいのパークができた。そんでこのパーク(いまだ試行期間中だ)を守るために、ローカルが声かけをしてゴミを拾ったり取り組んできたのに。それが、ひとりだかふたりだか知らないけど、正義面したキチガイのせいでぶち壊しになるなんて。

ごく少数の荒ぶるキチガイによって、公的機関の運営が左右され、公共の福祉が脅かされるサンプルは、全国的に枚挙に暇がない。お役所はその体質上クレームに弱いのは仕方ないのだけれど、しかしそれによって損なわれる社会的効用は、これこのとおりあまりに大きくて、何かそれを回避できるマニュアル的な何かの存在が必要なのではないかと思った。お役所が安心してキチガイを受け流せるような。

気の毒な仕事を与えられた警備員の人に「カッとしやすい子もいるからさ、あんまトゲトゲしい言い方しないでね」と言うと、「この土日とりあえず気をつけてもらって、ほとぼり冷めたらまた、ねえ。それでうまくやってくうちに、滑れるエリア広がるように交渉すれば、ねえ」という、えらく人間的な返事をもらったので、ちょっとだけほっとした。現場の人はおれたちとも顔なじみだし板挟みで気の毒だ。

晩、マンガ大賞の打ち上げ。ジュンク田中ちゃん、ヨッピー吉田さん、ハトコ、荒川さん、奥村パパ、縄田さん、お会いしたかった門倉さん、ひさなちゃんら、一緒。安心してフルブーストでマンガの話ができる場はありがたい。西村しのぶのセリフいちいち覚えてる人ばっかりだったね…。