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さーてネタバレたっぷりでエバーのことを書こう。嘘です。書かないよ。だって正直どうでもいいんだわ、このエバー。そりゃもうちょう面白いよ。いままでのでいちばん面白い。間違いない。すごい動くし、もう完全にもってかれる。テンション、ドミナントモーション、トニック! みたいな。眼福眼福、国民的娯楽大作。でもそれは、残念だけど、俺が好きなエバーじゃないんだよね。
じゃあ俺が好きなエバーはっつうと、夏エバです。夏エバのラスト、「非連続」的存在として描かれてきた人類が片っ端からLCLの「連続性」の海に融解して、巨大な「女なるもの」の手の中で螺旋を描いた、あれでもうオッケー。物心付いて以来俺はあれが見たかったし、見たいと思ってたものがほんとにビジュアライズされたという体験がほとんどなかったんで、びっくりして、ほれた。しかも最後に「きもちわるい」ってオチまで付けてくれた。バッチシ。
なので、新劇場版は、どういうラストを見せてくれるのか、それだけが楽しみで、あとは割とどうでもいいです。ストーリーとかキャラとか伏線とか世界設定とか、描画とか効果とか、すごいけど、あんま別に、いいや。無粋でごめん。思想を見たい。だから次も次の次もちゃんと見に行くから、おしまいには、すごい思想を見せてね。それがバタイユと澁澤とグノーシスとエロティシズムと粘菌の子供だった俺の、エバーへの唯一のおねがいです。