スロットルの品性

BOOTSYのことはまだ熱を持っていて熱くて触れないので書けそうにない。

それよりフジロック行くクルマにラ・テールのメンチカツバーガーを差し入れたんだが、このメンチバーガー、ことに買いたての破壊力はちょっとよそにないものがある。まずパン屋なんでパン粉がいい。おかげで揚げ物のファーストインプレッションを支配するサクッと感のエアリーっぷりが感動的なレベルにある。油もいい。

そんでメンチの肉の味とたまねぎの味がともにしっかり押し出されてるところに、さらにしっかりしたソースが、しかし量は控えめに塗ったくられ、キャベツがフレッシュさを炸裂させつつパンがしっとりフモフモ。あなやパーフェクション! これは下品ギリギリのウマさだと思う。朝イチに寄って、揚げたてを歩き食うと1日大吉に過ごせる気がする。

この、あともうちょっと美味しかったら下品、という見識はほんとに重要で、だって世の中にウマい食材なんぞいくらでもある。さりとてウマいからといってウマいものをここぞとばかりに投入されると、たとえばある種のラーメンとか、そりゃ美味しいんだろうけど下品でちょっと、と毎度ながら思う。幼児性の問題になるのだろうか、速いクルマを買ったからって彼氏がブイブイ飛ばしてたらゲンナリしちゃうのと一緒だ。

思い出すことは他にもある。たとえば内田有紀松たか子でもいいけど、つかこうへいとかの舞台に出て演技指導を受けしごかれて上達した女優さんが、のちにテレビの仕事に戻ってきて、蓄え込んだ演技力を振り回しているのを見るとうんざりする。声が出る、空間が掌握できることがうれしいたのしい大好きなのはわかるけど、それに淫しているさまは正直みっともない。舞台以前に持っていたチャームは完全にスポイルされていて、残念だ。

淫す、はみっともない、という話に着地しそうな雰囲気になってきた。普通すぎて疑わしくなる結論だ。ほんとうにそうだろうか。淫すと三昧は同じ地平に存在しないのだろうか。淫します。インスマス。意味のない駄洒落で終わります。