ファンクフェス08

ほんとに素晴らしかった今年のフジロック。どんくらい良かったかと言うと、もう5年前のできごとのように思えるくらいです。朝9時にid:ozricが迎えにきてくれ、いざ苗場へ。もろもろあって今年も同行者はid:bukkoros。心強いことこの上ない。以下アーティストごとにダラダラ書くぞー。

14:20〜15:10 JAMIE LIDELL
ガッチガチハードミニマルアンセム「(Don't) take it more」でおなじみリーデル君、クリボーとのスーパーコライダーを経、toresorからアルバムを出した頃からちょっとおかしくなって、気づいたら朗々と歌い上げるスタイルに。みんな「どうしちゃったの?」とハテナマークだったけど、僕はよかったねー−!と思ってた。僕もソウル〜ファンクミュージックとハードミニマルを同時に愛する者のひとりだからだ。

エレクトリカルな音楽一般に対するアレルギーが強く、例えばブーツィがJUNGLE BASS4つ打ちに挑戦!なんてときも、ほんと余計なことしなくていいよラズウェル死ね!とか思ってた僕がミニマルと出会ったのは実に遅くて95年、DJ tabbataとの出会い以来だ。そのときいろいろ聞かせてもらった僕が感じたのは「アシッドとかトランスって奴はどうにも白人臭いがこのミニマルってのはファンクくせえぞ」という直感で、それはすぐに正しいと判明した。

しかしファンク・ソウルとハードミニマルでは出音の耳触りも、買うレコ屋も、かかるハコもクラウドの人種もまったく異なるのも事実。どうしてその両方が好きなのか、理解されやすいとは言えまいわな。俺も言われたことある(バッキーに)。「いくらミルズが黒人だからって、君が聞いてきた音楽とは違うんじゃない?」その引き裂かれかけていた自己を、僕はアタマで統合しえたけど(大雑把に言うとソウルを単調化・反復化・強拍弱拍の無化したものがファンクであり、それはメインストリームのテクノに対するミニマルの位置と相似する)、実際に音楽を使って統合してみせたのがリーデル君だ。

バンドメンバーはギター&ベース、ドラム&ベースペダル、アルト&テナー&EWI、キーボードの4人。これじゃ伝わらないので詳しく書こう。ジャンプスーツを着たベーシストは半分強の曲でギターに持ち換えるw。ベース不在の間ドラマーはハット足でタウラスを鳴らす。ゴールドのスパンコールでできたショートガウンに髭モジャグラサン(我が国でいえばジェームス小野田グループ魂の角の人と同じ系列)の人はアルトとテナーを同時に口にしてハモる大道芸スタイル。あとマイク付けたEWIボコーダー通す一発芸とか・・・。鍵盤だけ良心のカタマリのような達者でまともな人。

そんでリーデル君が、ボーカル&ボイスパーカッション&ルーパー&909&ノートPC。衣装は黒シャツに白黒ストライプのズートパンツ、白黒のコンビシューズというノーザンソウルリスペクツな悪趣味の極み。最近のソウルナンバーを歌い上げたあと、やおらオートチューン遊び、909いじり、気づくとメンバーは全員ハケていて(笑)、ノーフューチャーっぽいフレーズをボイスパーカッションで出してはループ。30分近いひとりあそびタイムを通じてノーシーケンサー・ルーパーオンリー。ボイパできると打ち込みとかもどかしくなっちゃうんだと思う。ふたたびメンバーが戻ってきてシームレスにソウル回帰、大団円。

結論を言うと、ドンチーのときからリーデル君はまったく変わってなかった。変わらないまま、歌える、歌っていいという自己承認と、引き裂かれたソウル趣味を統合する手腕を手に入れて、実に幸せそうだ。ドンチーの人がやるわけだから、一筋縄ではいかない。どっかしらフリーキーさをたたえたそのサウンドに、勝手に言いようのないシンパシーを感じまくって踊り狂った。いきおい書きすぎた。あとサクサクいこう。

19:20〜20:20 GALACTIC
ジャムバンドフューチャリングラッパー迎えるというと、ブランニューヘヴィーズのエクスペリエンス以来の相性いいのは決まってるんだけど、それにしても良かった。楽しいなあ。

21:10〜23:10 Bootsy Collins
まとまりそうにないので日を改めます。涙と汗にまみれて、最前列で握手した。rootsyがbootsyにタッチする歴史的な日となった。

00:00〜01:15 DJ MEHDI
品がなさ過ぎて楽しすぎた。

01:15〜02:00 DAN LE SAC VS SCROOBIUS PIP
ジャスタバン!

02:00〜03:15 GRANDMASTER FLASH
ここまで節操ないと呆れ果てたすえに笑顔になるね。ロックを聞かずに過ごすはずだったのに、スメルスライカとウォークジスウェイでプチョヘンザしまくり。

03:15〜04:00 Shing02
疲れて座り込みながら400にちょっと泣く。


見た全部のアクトが最高でした。あとヘヴンのスティールパンで寝落ちしたおかげで最後まで体力が持った。マイブラに微塵の思い入れもないlife without rockな僕を、こんなにも楽しませてくれるフェスは他にないし、ほんと神がかった1日目でした。始発の新幹線で帰宅し、ベッド手前で力尽き床で寝てた。