仕事を残して入る海は、どこか楽しめ切れず、もやもやが背中に張り付いている感じ。そのどんよりムードが身のこなしにも反映されて、どうにも乗れない。参った。前に大クラッシュした小波用のフィッシュを、リペアから上がってきて以来ひさびさに出したのだが、このボード、どうやら呪われているらしく、復帰後いきなりのまたもやクラッシュ。今度は俺がライディング中に、ゲットしてくる子を避けきれず轢いてしまった。一応ライディングしている人のジャマをしちゃダメ、というルールがある手前、轢かれた子はものすごい勢いで謝ってたけど、俺がもうちょっとだけ上手ければ余裕で避けられただろうし、なによりあれ、痛かったろうなあ。ほんとにゴメンよ、ヘボで。

ぶつかったところはけっこうデカく割れてしまったけど、もうそんなことはどうでもよくて、それよりボードが人に乗り上げたときの足裏の感触が、書いている今でもべっとり離れない。交通事故で人を跳ねたら、電車の運転してて飛び込まれたら、こんな感じだろうか。轢かれる方が痛いけど気楽だと、心底思っている。考えてみりゃ小波用ボードが呪われてるというより、小波というコンディションがクラッシュを引き起こしているのだろう。小波だと、まずアウトが近いから初心者も上級者もごちゃまぜになっちゃうし、乗れる範囲も狭まるから、自ずと人口密度が上がる。しかも、乗れる波の割合が少ないからみんなガッツくなってしまうし、恐怖感もないからいちばんの波にみんな軒並みトライしてくる。トラブルも起きやすいわけだ。<138回目>モモ、オン、チョッピーざぶんざぶん、3時間半。

晩、衣川さんとカミさんのより子。さんがいらして、ドラゴンフルーツの紅をいただく。なんかいただきものづいてるな。さわやかな甘みで美味きわまりなし。トロピカルフルーツが食卓にのぼるこのときめきは、戦後の人がバナナに抱いていたものと相似形なのだろうか。深夜、原稿1本。あと1本で一段落つくのだが、いちばんうまく書けない感じのを残してしまった。やや気が重い。最近レトリックがマンネリの極みで(仕事のほう。ここはマンネリでありたいし、そもそもレトリックもクソもないので垂れ流すだけだ)書いていて情けなくなる。