やっぱり東京へ出ると翌日に疲れが残るね。普通に起きてちょっと企画書書きでもしようかと思ってたんだけど、タモリまで寝ちゃった。やっぱり冷房が響くんだと思う。革命的半ズボン宣言から何年経ったのだろう。この国ではいまだにキンキンの冷房が富とステイタスの象徴らしい。スウィーツの味付けもかつては砂糖が富とステイタスの象徴だったところを、いつ頃からか甘さ控えめがおしゃれ、ってことになって、数年でこの国のスタンダードな糖度を一気に引き下げてくれたのだけれど、それは背景にダイエットがあり、しかも受容すべきメイン層が婦女子に限られたため、割とスムースに事が進んだのだと思う。みたいなことを着物イメトレ部屋の犬子さんと話す。

一方でパブリックスペースの冷房は、その背景が会社・スーツ・接待、と男社会ベースであるため、見栄と体面を重んじる大人性によって弱冷房ムーブメントが妨げられがちだ。ひとつには、日本で最初にキンキン冷房をかけたのが銀行であり、それは(いまや完全に形骸化したとはいえ)信頼と社会的地位の代名詞だったせいで、キンキンに冷えている会社は潤っていて信用できる、という神話がいまだ生き長らえていること。そして、例えば銭湯で湯船をぬるめると「女子供じゃあるめいし」と叱られるごとく、過剰なものを辛抱しつつ味わいきるのが男らしい、という迷信。さらには夏でもジャケットを手放さない気候無視のユニフォーム。なかなか弱冷房ないしは微冷房が社会のデファクトたりえる日は遠そうだ。

さて起こされたのは便利屋の呼び鈴の音で、処分できずにベランダに放置しておいた畳6枚と巨大なダルトンのゴミ箱を処分してもらう約束だったのだ。畳は、いま解体部材ではいちばん処分しにくいもののひとつだ。自治体から事業系ゴミとして拒否されるのは当然として、よく産廃処理業者を呼ぶと、ダンプ1杯4万7000円で捨て放題〜、とかそんな相場で鉄筋だろうが木材だろうがプラ、発泡スチロール、壁紙、シンクだろうが積めるだけ持ってってくれるのだが、そういうかなり地球に優しくない業者でも、畳だけは別途料金を取るようになってしまった。とにかく燃えない朽ちないリサイクルできない、で厄介らしいのだ。で、その処分料の相場を知っていたから、交渉で割といい額を引き出せて、即その場で搬出してもらった。やってきた男の子ふたりはどう見てもふたりともサーファーで、立てかけてあるボードを見て微妙な表情を見せた。が、なんとなくお互いそのことには触れずに会計を済ませた。

晩、片瀬西浜の海の家で知人のパーティがあるというのでちらと覗く。なんか、井上くんはいなかったものの、leafまわりの人な感じだったな。元バロンでハウス店に入った人、えーと西村さんだっけ、とか見かけた。けどあんまり挨拶とかしないで適当なところで切り上げて帰ってくる。帰宅するとアテネの開会式をやっていてボケーっと見てたんだけど、ビヨークを待っていたのに選手入場が始まっちゃって当分終わる気配もなく、結局サーフィンに出る時間になったので見られずじまい。まあ、昼間再放送やるんでしょ。