テレビでポルノグラフィティのベスト盤、のCFが大量放映されている。この人たち、バンド名もバンド名でものすごいと思うしこのバンド名で通っちゃう大衆決断についても一言申し上げたいところだけれど(笑)、さておき旋律と日本語の音韻とのマッチングがものすごくて、ちょっとやそっと驚いた。たとえば一曲も曲名を知らない、一曲も通して聞いたことのない、そして購買意欲もなければシンパシーもない、はっきり言っちゃえば好きじゃない、そのくらい希薄な関係性の俺だけれども、恐ろしいことにサビのワンフレーズだけなら、出てくるわけ、何曲も何曲も。具体的には書かないけど(書いても♪きーみっがむーねっをこっがっすーっから、とか♪ぼっくらっのっうーまれてくーるーずっとずっとーまーえにはもー、って読みづらいこと夥しい)、とにかく鼻歌喚起率がものすごく高い。

そんでそれは、メロだけじゃなし得なくて、もちろん歌詞だけでもなし得なくて、歌詞に節がつくことで海馬への浸透力が何十倍にもエキスパンドされる、口承芸能の根本に触れているわけだ。実際のところ専門的には、たとえばフレーズの最初の音は何行で始めちゃいけない、とか何段の母音で終わらせるとどんな雰囲気に、とかテクニカルなメソッドが確立しているんだけど、このポルノなんちゃらの人たちのサビにはそんなメソッドすら飛び越えた、暴力的とすらいえる強度があるので、もうほんとお父さん脱帽だ。そんでその強度を照らし出す何か比較対象は、と思って見回してみると、あからさまにぴったりの存在がいて、それはミーシャさんなのだった。

少なくとも僕はミーシャを、まったくファンではないものの、ポルノなんちゃらの6000倍くらいは好ましいと思っているし、そのステージには感服するし、音楽的(略)なのに、そらで鼻歌が出てくる曲は、あまりにも少ない。陽の当たる場所と、♪よーえーびーしーん(よーえーびーしーん)、ぐらいだ。そん次、となると♪こーわーれーそーーなー、あーすーにむーかーいー、いやそれ小柳ゆきだから。ってことになっちゃったりする。ほんとはもっとちゃんと思い出せば出てくるんだろうけど(包み込むように、とか)、それにしても少なくて、まあ正直に言って、海馬浸透力で言えばもうボロ負けだ。そんでほんとのところ、その音楽がいい音楽かどうか、ということと海馬浸透力にはあまり関連性がないのだけれど、でもセールスには大いに関係がある。論旨があやふやになっちゃったので飛躍させてもらえば、海馬浸透力が薄い音楽をやり続けるための仕組みがこの国には必要だ、というところに持って行きたかった(笑)。眠いので断念!

今日の海。えーとオンショアチョッピーで相変わらず大苦戦。巻かれてボードに当たり、唇を切った。つうかここ数日ではっきりわかってきたのだが、精神状態がサーフィンに如実に影響しまくっていて、パドルの姿勢はブレるし、テイクオフはもたつくし、おぼつかないこと甚だしい。まずは心の凹みをなんとかしないと、海まで楽しくなくなってしまいそうでちょっとマズい。あと昼間入ったので日焼けが痛い。<123回目>オンショア、腰、大チョッピー、2時間。