朝5時、きのうノンビリしたぶん、今日はちょっとハードでもオッケーですわよ。とはいってもさすが台風。いつものビーチは頭半のどっかんダンパーだ(ニュースで中継してるみたいな)。インサイド真っ白。誰もいない。まあこれ入ったら死ぬわな、と思ったが、しばらく浜沿いを流していると、ぽつぽつ入っている人がいるので世の中は広いなあ、と思う。僕はとうてい無理なので、こないだの海の家の女の子に(海の家と女の子はそれぞれ一語なので“の”の連続とか言うない!)教えてもらった、台風でどこもダメなときにちょうどいい按配の波が立つ、逆に言うと普段はそんなとこでサーフィンできるわけないでしょ、と僕らが思い込んでいるポイントを目指す。

するといるいる、30人くらい、狭い場所なのでもう混雑だ。ほんの50m隣ではバッカバカ波が炸裂しているのに、そこだけ白波が立っていない。セットが防波堤にぶつかると、10mくらいの波しぶきがドシャーンと上がる。どひー、と思ってると、その打ち消された残滓が防波堤の裏に回り込んできて、ちょうどグッドサイズになる仕組みだ。チャリンコを停め、初めてのポイントなので足下を確かめつつ入る。ちょっと大きめのゴロっとした石が多いな。そして水面上の様子から予想したよりずっと浅い。こりゃ巻かれたくないなあ、と思いつつ、アウトを目指す。防波堤のせいで横のへんな流れが強い。普段なーんにもストラクチュアのないビーチに入ってるもんだからいろいろ違和感が強いけど、それ以上に驚いたのは海水の味だった。たった1、2kmしか移動してないというのに、ぜんぜん味が違う。しょっからいし、コクがある。ヨード臭も強い。鼻腔に入ると、ツーンとする。

波は、冗談みたいに良かった。肩サイズのファンウェーブ。でも取り合いがきつい。なにしろ壊滅状態の他のビーチからみんなエンヤコラ来てるわけだから、辻堂で見かけるローカルもいれば、鵠沼でよく見たローカルもいる。みんな挨拶しあっていて、もうオイラ超超超超肩身狭い。でも萎縮しててもしょうがないし、おとついのちょっとした自信もあって、アタックアタック。すると難なくセットを取れて、あらー自信ってのは大事だなあ、と思った。ラインナップの左隣にはめちゃくちゃ上手い、そして凶暴そうな、ウェットスーツにドクロの絵が書いてある銀髪の男の子がいて、ああドクロも銀髪もこういう子のためにあるんだよなあ、と感心する。

そこにやおらうねりが入って、何の因果かその子と二人でピークを取ってしまった。サーフィンのルールについてここでは詳説しないけど、ここで俺が右に行ったら彼は退かねばならず、俺が左に行ったら彼は右に行って二人とも乗れる。パドルの最中、一瞬目が合って、その切れ味良さそうな目が「オメ左な」と言った。どひー。おおお俺グーフィー苦手でー、なんて言い訳する余裕は与えられるわけもない。覚悟を決めてグーフィーにテイクオフすると、僕と彼との軌跡が、波のショルダーにズザーッときれいな八の字を描いた(ような気がした(笑)背後だからね)。なんかそれが、僕もラインナップの一員になったというか一人前の入り口に立てたというか、すごくすごくうれしかったんだな。人が増えてくるまで、何度も何度も繰り返し乗る。毎日毎日、昨日よりサーフィンが楽しくなっている。<118回目>オフ、肩、ナイスショルダー、2時間。

たたたたたいへんだ大地が! 復活!(taffyちゃん情報)