海の日。とはいっても海の方はどうにもならないフラットが続いていて、さすがに今朝は入らない。代わりに、知り合いの女の子がいるというので江ノ島のビーチまで海沿いをチャリで流してみる。浜はニュース映像で見るとおりの芋洗いっぷりで、誰もが海に来るという行為自体にハイになっていて、みんなちょっとづつ普段より無軌道になっている(慎み深い人も慎み深いなりに無軌道になってる)。浅草みたいだ。折からの陽射しも相まって上気した顔、ビキニ、ビキニ。キスを求めて拒絶され、ご不満顔の男子、ナンパ成功に浮き足立っておかしなことしゃべってるのに気づけてない男子、場数慣れした風に装おうとやっぱり浮き足立っちゃってるコワモテ男子。みんなにビーチの神様のご加護を。

こういうこと書くとまた女子から砲撃食らうけど、グラビアクオリティじゃないバディが肌を晒し駆け抜けてくさまは、ほんとに勇ましくて味わい深くて素晴らしい。スタイルの良い女の子を見かけても「お、ナイバディ」ってチラと目で追うくらいだけど、祝福されなかったおっぱい、へそ曲がりのおしり、呪われた骨格、荒野のようなうぶ毛、などなどは、思わず見つめてしまう、というか見つめさせる迫力と愛しさに溢れている。ナイバディには1種類しかないけど(端折って書くが大目に見て>グラビア神学の人たち)、不格好な肉体は十人十色で博物学的に盛り上がること夥しい。それに、そこそこのナイバディは見られる機会が社会的にいくらでも用意されてるけど、テイスティな身体は、せいぜいパートナーのものくらいしか普段は目にしないしね。またモモに叱られるのでこれ以上はよしとく。

けっきょく知り合い女子はケータイが通じず会えずじまいだったんだけど、海沿いを流して、普段は目にしない観光地としてのビーチ光景をたっぷり見られたのでよしとしよう。ロードサイドには洒落たカフェやレストランなんかも続々できていて、マクドデニーズじゃちょっとね、といった気分のデート中カップルが列をなしている。チラ見した限りだと、パパイヤとか知ってる店がパクリ元になってるとおぼしきメニューがいくつもあったり、レストランもそれなりに考えたプリフィクス組んでたりして、少なくとも2000年型のモダンフードなら渋谷と大差ないバラエティを享受できそうだ。インテリアだって、それこそフードより力入って今年風で、トレンディ(!)な雰囲気に浸りたいだけなら、別に東京まで出る必要なんてまったくない感じよ。でも、だからといって東京のお店が恋しくならないわけじゃまったくないんだけれど。

こっから先を書くのは気が重い。けど、もう渋谷を出たんだし、いっか。よくフードライターが「いちばんお気に入りの店は書きませんよお」なんて言ってたりしてコンニャロと思うのだが、それに倣ったわけではないにせよ、やっぱり僕も、いちばん好きな飲食店はここに書いたことがなかったのだった。それどころか誰にも(亮太さんにも)話したことすらないし、誰かと連れ立って行ったことも、もちろん打ち合わせに使ったこともない。その店だけはいつもひとりで行ってた。だからって隠れた名店とかってわけもなく、名前を言えば誰でも知ってる店なのだけれど、えーと、ムルギーです、道玄坂の。あの店のような存在は、あれだけは限られた都市にしか発生しないもので、いくらモダンでスロウ(苦笑)な店が鵠沼に増えたとしても、どうやっても生まれ得ない性質のものだ。そんでまた、そんな店に限って、恋しくなったりするのだな。


テストです。京ポンの「撮速メール」機能を使ってここ鵠沼海岸からお届けします。 引っ越したのが4日だから、もう2週間かー。

写真はキッチン。お茶ポットは夏でも欠かしません。引き戸がいい感じでしょ。仕事用のデスクは青木にあげてしまったので、ダイニングテーブルでノートを使っています。食事のたびに片付けなきゃならないので、散らかさなくて調子いいよ。

境川灯籠流しの花火。引地川河口から。

近所のお好み焼き「かたつむり」。

そうか横浜ウォーカーなのか!