きのうブックファーストでぼんやり選んだ(嘘。ほんとはナボコフの短篇集読みたいなあと思ってたのが脳内で誤熟成したのだった)チェーホフの短篇集『犬を連れた奥さん』が凄い。なんでいままで読んでなかったんだろう。新潮だからいつでも買えると思ってたからかな。白水Uのほうは揃ってるのに。さておき凄いのは作家の達観っぷりで、老境いちじるしい話運びなのに書き手は若かったりするのだからどういう悟りを経ての作品なのかよくわからない。とにかく幾千万とあるドアの中から、いちばん枯れたドアを開けて開けて辿り着いたら空き地でした、みたいな(短篇だからドア2枚・笑)。たぶんこういう人は年を経て辿り着くもんじゃなくて、老人として生まれ老人として育ったりしたんじゃないかと思う。たまにそういう目をした人とすれ違う。

草川さんが指南してくれたとおり、そうだった、こういう土地ではロードサイドのホームセンターが肝要なんだった。実家にいたとき、週末になると朝刊がアイワールドやKマートの広告でブ厚くなっていた風景を思い出す。でも新聞取る気ねえしなあ。代わりにといっては何だけど、テレビは tvkばかり見てしまう。「ミュートマ」という単語を15年ぶりくらいに聞いて悶絶。UHF入る友達の家におじゃまして松岡英明のミニ特集見たなあ。とても後ろ向きな感想だけれど、tvkにはキー局が失ったさまざまなものが生き存えていて、点けているだけで十分なヒーリング効果がある。とにかく単位時間あたりのスポンサー料が安いから、キリキリしてないし常時レイドバック。PVとかフルレングスで掛けちゃったりするのな。スーパーが少ないのもいいし、さらに言えばスーパーの級数が若干大きめなのがいい。でもこればっかりだと困るのでゴールデンにはドカンと金の掛かったキー局の仕事を見て別の安心を得る。