藤沢駅へ。今日はバイパスを上っていくバスをはじめて使ってみる。北口のはずれに大きめの無印があるのを発見して、何と言えばいいのか、無印がありがたみを保持できてる状態というのかな、ゴメン俺はいますごくツマランことを言おうとしてるのかもしれないけど察してくれ。とにかく何年かぶりに無印に足を運んでみた。だが何もなかった(笑)。大事なものはやっぱりイトーヨーカドーにあって、腰高の窓用のカーテンを発注する。カーテンタッセルを引っ掛けるフックを買う。すだれも買う。ハンズで合鍵を作る。帰宅してネット通販でボードキャリアを買う。ヤフオクでコンロと自転車とキャスターつき洗濯機台を一気に落とす。この部屋には防水パンがなくて、洗濯のたび注水ホースをつないで排水ホースを風呂の排水溝に渡さなければならないのだ。オールドファッションな公団スタイル。

すぐに夕暮れだ。この辺りの住宅地はどの道も細く込み入っていて、行き止まりも多く、なにげなく新しい路地を試したりするとマジで方向感覚をロストしたりするのだが、夜になると事情は一変し、常に方角を確認できるようになる。北極星? いや曇っていてもオーケー。茅ヶ崎の方角に、一本のサーチライトが夜空を射抜いているのだ。さて勘のいい方はすぐに察しがつくと思うが、当然こんな施設は海岸沿いのラブホテルのもので、特筆すべきはこのライトがラブホの場所を指し示しているばかりでなく、満室になると消える、つまり空室有りマスのサインになっている点であろう。通勤帰りに、犬の散歩中に、コンビニへの道すがら、夜空を仰いだ地元の住民は、ふとサーチライトの不在に気づき、誰ともつかぬ、しかし確実に誰かのではある幾十かの性交渉が、その不在の根っこで遂行されつつあることを認識する。そして僕は暗い夜道に投げ出され、道に迷う。