4時半すぎ、居を移してからはじめて海に入る。この時期、芋洗い的に混雑するビーチだけれど、さすがにこの時間なら誰も・・・、先客が3人。となりのポイントには5人。でもまあ、たいした空きっぷりだ。波はモモくらいの風波でチョッピーとさっぱりだけど、これだけ空いてりゃ気分がいい。夜半からのしとしと雨で視界ぜんぶが鈍色に染められてるのもいい。身体を慣らす感じで1時間ほど浸かって、てくてく帰る。さすがに帰りはやや億劫で、早く自転車を調達しないとな。家では案の定ジャリが吠えていて凹む。これほんとどうにかしないと。あの積み上げた留守番トレーニングはどこへ霧散してしまったのか。<105回目>スエヒロ(今後特記ない場合スエヒロで入ったということにします)、中オン、モモ、チョッピー、1時間ちょい。

ひと寝入りして、午前のうちに近所の市役所分室で、転入届け。カーテンタッセルを引っ掛けるフックを探すが、どうやら近所にはない様子であきらめる。あとはゴロゴロ。室内は落ち着いてきたが、まだまったく生活のペースがつかめない。わかっていることは、周囲の住民は例外なく早寝早起き、ということだけだ。富ヶ谷での隣人はうちに負けず劣らずの宵っ張りで、ほぼ例外なくすべての窓に夜明けまで灯りが点いており、要するにうちの建物の4階に付けられたあだ名は「不夜城」だった。目の前を通るあのやかましい山手通りのおかげで、深夜でもためらいなく掃除機、洗濯機をかけられたし、深夜の入浴がこんな響くものだとは完全に忘れていた。それがここで暮らしていると、たとえば深夜番組は特殊な人のためのものだ、ということに否応なく気づかされる。

とにかく夜が狂おしい。ジャリの散歩でとなりの駅まで足を延ばしてみたが、深夜11時とはいえ、45分間、人っ子ひとり擦れ違わなかった。近所のコンビニは1時に閉まって6時に開く。バイパス沿いの24時間のコンビニまで行くと、そこには軽自動車メインに集ったさびしんぼたちの饗宴が。帰宅して海鳴りに耳を澄ましていると、遠く、ピアニッシシモから闇夜をつんざく爆音クレッシェンド。暴走族のみなさんだ。ルート134までは700mほどあるので風情としてエンジョイできるレベルの音量。かねてから聞き及んでいたとおり、ここではクルマのロードノイズが、クラスタではなく一台一台分離して聴き取れる。都会で暴走族が流行らない理由がよくわかった。つんざくべき闇も静寂もないからだ。