ちょっと前に、古今のお客さんから連絡があって、約束していたマジェスティをもらえることになった。タダでいいっつうんで喜び勇んで行ってみると、なるほどね、不動車でしたか。しかも走行68000kmと過走行もいいとこだ。とりあえず自分でも信じられない腕力を出してワゴン車に積み込み(前オーナーの手助けがあったにせよ、どうやって250ccのバイクを持ち上げられたのかいまだにまったく思い出せない。ただ奥歯の虫歯が割れた・笑)、自宅近辺のスクラップ屋に運び込む。どこから手を付けたものか、とりあえずミッションが死んでいるのでケースを開けると、ベアリングのひとつが破砕していて、そのボールがミッション内で暴れた挙げ句ギアというギアの歯が欠けてしまっていた。ダミだこりゃ。

と書いていて思ったんだけど、こっから先、サーフィンバナより興味ある人少なそうなので端折ります。とにかくエラい労力とバイク屋の手助けとバカにならない金額を突っ込んで、とりあえずは動くようにしました。あとはおいおい走りながら直していこう。いずれにせよ、タバタにしてもそうだけど、この国のモータリゼーションには致命的にメンテナンス意識が欠けているのが、とても悲しく思える。もらっといて言うのも何だけど、このマジェだってホコリまみれでオイルも真っ黒だったし、壊れたのもミッションオイルが足りないまま走り続けたせいだ。日本人はノーメンテで乗れちゃうすごいクルマを生み出したけど、だからといって手入れせずに壊れるまで乗って故障したらポイ、というのじゃクルマが可哀想すぎるよな。あれー普通に説教だなこれ(笑)。

そんで動き出して乗ってみると、俺ビッグスクーターって初めて乗ったんだけどさ、ラクだねこりゃ。風は避けるし振動はないし、ラク過ぎて怖い。そしてやっぱり思ったとおり、バイクじゃなかった。ニーグリップないからリーンの感覚もあやふやだし、ホイールベース長いから超アンダーでハンドル・オリエンテッドなステアリング、エンジン配置のせいで後輪加重もいいとこだし、これじゃ走る曲がる止まる、についてちゃんとした理解ができようもない。それに、転けたときにどんな挙動になるのか、いまいち想像がつかない。普通のバイクなら転けたとしても、滑りながらいろいろ制御できることがあるわけだけど、たぶんこれだと吹っ飛ばされておしまい、だな。イージーで投げやり、という、かなり怖い乗り物。そんな印象。流行るのもわかるけど、あんまり褒められた傾向じゃないな。あれー普通に説教だなこれ(笑)。