モーニングを読む。なんか別の漫画誌を読んでるような気分になるが、だからといって別の具体的な何かに似てるわけじゃなくて、ただ自分の中のモーニングはもうどこにもない、というだけだ。ドラゴン桜は取材力がかなり試されるツラい時期に突入した。僕は周りの人が言うほどこの三田紀房って人をウザったく思っていなくて、それよりむしろ好ましいとさえ思っている。この人のマンガには常に、といってもドラゴンの他にクロカン、甲子園へ行こう、スカウト誠四郎、しか読んでないけど、一貫して同じテーマが流れていて、それは要するに、「何かを成し遂げたければズルをするしかない」ということだ。

クロカンでは高校野球の監督とゼニカネ、甲子園〜ではプロによる学生指導、ドラゴンでは偏差値25からの東大入試法、スカウト誠四郎では逆にズルだらけの世界でズルをしない男の困難を描いているが同じことだ。さまざまなズルを描いて物語がドライブしていく。そこに一種ビジネス書的なノウハウ臭さがつきまとって、それでこの人の作品を敬遠する人が多いと思うのだが、そんなことより僕は、この人がここまでズルに執心するに至った背景が知りたい。幼少期、もしくは連載マンガ家になるにあたって、なんらかのズルをしたのだろうか、それともズルする奴に虐げられてきたのだろうか。まったくもって下らん詮索だな。