ほんとはリョウタさんがゲットしたネズミーリゾート無料券で、年甲斐もなくダブルデート、の予定だったのだけど、リョウタさんとこのパートナーが体調を崩してしまい次回へ持ち越し。俺もリョウタさんもネズミーランド未体験歴をさらに更新することとなる。そんでその代わりに、451と浅草へ出かけた。仲見世から浅草寺花やしき、六区を掠めてから言問橋を渡って長命寺の桜餅。戻って前川でうなぎ、は高くて手が出なくて駒形どぜう、は1時間待ちなのでやめにして、梅園の栗ぜんざい、も長蛇の列で回避して、もっかい仲見世へ戻って食べ歩きでお茶を濁す。途中、人いきれの中で歌舞伎に向かう途中の小崎さんにバッタリ遭遇。あとは水上バス浜離宮。新橋から大好きな都バスに乗って帰ってきた。

初詣とはとバス観光客でごった返す浅草は、ひと言で言えば野蛮、キッチュよりファニーよりイルという言葉が似合う土地で、猛烈に疲弊した。451には「アナタはほとんど渋谷区から出ないでしょ、無菌室にいるようなものだから当然よ」と言われたが、それにしても、江戸情緒もクソもないイルっぷりだった。まず多くのお店はたいていの観光地がそうであるように殿様商売で、サービスのサの字もない接客っぷり。ここそこに溢れかえる、テイストレスな商品、看板の数々。そして、そうなるのも仕方がないか、と思うに十分なほど無秩序で無軌道な観光客たち。観光地に特有の興奮によってみんな軽く顔が上気していて、それがさらに野蛮さを高めていたように思う。オバタリアンって言葉を、僕はひさしぶりに思い出した。

帰ってきてから草川さんと話したんだけど、彼によれば、あのマナーのなさ、無軌道っぷりの一因は、地方のクルマ社会にあるという。地方の人がすごい人混みに遭遇するとニコニコしながら「どけどけー、邪魔だ邪魔だー」って感じになっちゃうのは、民度がどうこうよりも単純に、車社会で混雑や電車に慣れてなくて、ルールを知る機会が全くないためだとか。そんでクルマでアクセスできる店舗っていうのは、チェーン展開でマニュアリーで、要するに自動販売機とたいして違わない接客・品揃えしかしないから、だからサービスを受けても「ありがとう」とかの言葉も出てこないという。もちろんあのオジちゃんオバちゃんたちだって、話してみりゃみんなそれぞれいい人なんだろうけど。でも浅草周辺での傍若無人っぷりはやっぱり、ちょっと常軌を逸してたな。

それで思い出したのがお正月にタバタのクルマを借りていたときのことで、僕はあの期間、確かに草川さんが言うとおり、消費の形態がまるで違ってしまっていた。まず駐車するのに料金が掛かるから、どうしても駐車場の附設した、買い物したり食ったりするとただで停められる店を目指してしまう。そう思ってると都内なんてほんと停める場所なくて行く方なくて、少なくとも環7とか目黒通りみたいな幹線道路まで出ないと動きづらくてしょうがないんだよね。そんでそういう郊外型の店舗っていうのは当然フランチャイズめいたものばかりで安っちい新建材でできててさ、結局のところ僕は、ファミレスでメシ食って郊外型書店で立ち読みして、変なペットセンターでジャリのおやつを買って帰ってきた(笑)。ああそうか、僕は普段、個人や小規模経営の店にしか行かないように強いフィルタを掛けていたんだ、って思い知らされたよ。