スケボーの話。せっかく新調した板なのに、最近またボロボロにしつつあります。理由は、ずっと逃げ続けてきたフェイキー(非利き足を後ろにしたスタンス。要するに非利き手で箸を使うような話)の練習を始めたから。いままでずっとレギュラー(利き足側)だけでスラロームやキックターン、スライド、マニュアルくらいまで練習してきて、それなりに見た目も乗れるようになってきていて、それをいまさらまた、乗っただけでヨロけるレベルから始める気になれなかったんだけど、ちょっと思うところあってね。思うところというのは簡単で、あれだ、その、ランプに入ってみたいんだ。うん。年甲斐もなく骨折の予感がぷんぷん漂う話題ですな。最初スケボー買った頃は、トリック系は若者に任せて俺は流せりゃいいや、と思ってたんだけどね。やっぱりやってくとどうしても無茶なほうに興味が向いてしまう。でもフロンティアは自分で設定するものだからさ。

これはどんなジャンルでもいっしょだけど、もう間違いなく時代はあらゆるレベルで爛熟期に入っているから、その最先端を見ちゃうと、わざわざ自分がやらなくてもいいような気になってしまう。サーフィンでもスケボーでも、技の最前線はもう、どうやっても凡人の手が届かないところにあって、それが現実に行われてるのを見るだけでめげちゃうんだよね。それはコンピュータの世界でも一緒で、はんだごてと手作業でその世界の最先端に触れられた時代ってのは過去確かにあったわけだけど、いまやそんなの完全にブラックボックスの中で、子供がコンピュータ組み立てようと思ったらベアボーン買ってくるのが関の山でさ、回路を理解しようって子はほんとに少ない。だってめげちゃうもんね、登るべき山の高さがあまりに高くて。でも、そこでめげないための何かがあるんじゃないかって思っていて、その実験が俺にとってのスケボーでありサーフィンなんだよね。答えは数年内に出ると思う。

晩、駒場で菊地さんとペヨトル今野さんのトーク。伝説の編集者の肉声が聞けるのはお楽しみだけど、うーむ、トークセッション自体は新たに得られたことがあまりなく、やや残念。司会の方はある種の成功者に共通する、1)人の話をまったく聞かない、2)場の雰囲気をまったく読まない、3)自らの内であらかじめ出ている答えを相手に言わせるためにのみ質問する、という特性を十全に放ちまくっていて、今後の活動が期待されるところです(苦笑)。終了後菊地さんと少し話したのだが、フィッシュマンズ問題(そんな問題設定はない・笑)については、僕は僕でここ数年答えを出そうと四苦八苦しつつある程度の成果が得られようとしているところなので、えーとみなさんもがんばってください。俺とりあえずこれだけは云えると思うんだけど、えーとみんな運動不足なんじゃないかな。うん。