やらなければならないことがあるのだがふぬけてしまっていちにちだうん。ギャラが入ったので洋服を買いたいのだが気づいてみればどんな服を買えばいいのかすらわからない体たらくなのだった。朝っぱらから服を買いに代官山渋谷原宿とはしごするような気合いが、かつての自分にあったことすら思い出せない。だが、気に入った服から擦り切れていく皮肉からは逃げられようもなく、いまや、うちのクローゼットはお気に入りを免れたことで生き長らえた服、ばかりで構成されている。気に入る気に入らないという次元で選ばれずただそこに残ったから着られる服、を着て過ごすというのもキブツみたいで悪くはないけれど、実のところそいつらさえ擦り切れていこうとしているのだからもう限界だ。スクラップ&ビルドを糾弾する前にワンシーズン・クロージングという常識をどうにかしてもらいたいよ(世の中に流通している軽衣料の大半が、その年に着てその年に棄てることを念頭に作られている、ということをアパレルの現場の人から聞いたのは二十歳を過ぎてからで、そのとき僕はたいそう驚いた。そんな、まるで叶姉妹みたいな服しか売っていないなんて!(そのとき叶姉妹はまだいなかったけれど))。チャラチャラしてるのに皮肉に負けない服を買いに出かけたい。