椎名にクルマを出してもらってすっかり千葉へ向かうつもりで首都高に乗り、谷町のジャンクションを過ぎたあたりでInterFMの波情報が始まった。どこかカレッジ的な雰囲気のしゃべりをする(スーパーカップ的、と言えばわかるだろうか)MCは湘南にそれなりのサイズが残ってると話し、半信半疑ながら行き先変更。箱崎からぐるっとC1一周して(湾岸ミッドナイト!)、明ける空をバックミラーに見ながら3号線へ。用賀で下りて第三京浜鵠沼は殺人的混雑だろうから辻堂へと向かう。ひさしぶりの辻堂は相変わらずつながり気味のワイドブレイクと強烈ダンパーなショアブレイク。明らかに鵠沼より乗りにくいが、そこはトレーニングだと思ってトライトライ。新しいボードはほぼ想像通りの乗り心地で、要するに相反する一方の性質を優先させればもう一方が疎かになる、というだけだったのだが、それでも乗り味が全然違うのを感じるのはとても楽しい。

とても印象的な一本があって、それは滑り出したものの立てなかったので結果としては失敗の回なのだが、いままでどうあがいても乗れなかったダンパーの切り立ったフェイスをボディボード的に横に走り抜けて、何か大きなヒントをまたひとつ得た感じ。数本、いま思い返しても胸が高鳴るくらい気持ちよく斜めに滑り降りることができ、ブランクの遅れはほぼ取り返したかもしれない。辻堂おなじみの左から右への流れがそれなりに強く、流されるたびにパドルで位置を修正するので腕が辛くなってきて、海も混んできたところでおしまい。あと辻堂は鵠沼より空いてる分なのかな、ローカルの人もビジターもおおらかで優しいと感じた。そうそう、始めてから1年が経っていました。ようやく/たったの1年間。<85回目>辻堂正面、弱オン、腹たまに胸、トロ厚ダンパー、3時間。

帰宅して仮眠。ほんとは451と話題になっていた流線型のライブに行くはずだったのだが、調べてみたら予約制だったのと疲れが抜けていなかったので、やめにする。チャーハンが食べたいというのでネギと豚コマと卵を買ってきて作る。いつぞや見た料理番組での作り方を思い出し、卵を先に細かなスクランブルエッグ状にして取り置いておいてからあとで本体に合流させたのだが、仕上がりがきれいな分、ややファンシーな気骨のないチャーハンになってしまった印象は否めない。あとやっぱり火力不足を痛感させられた。中華鍋ほしい。あと鍋洗う竹の茶筅を太くしたみたいな、えーとあれなんつったっけ、ササラ!あれあったらすげえおしゃれだ。白髪ネギで即席スープを作り、さっさと食べて、風呂も入らずまた寝ちゃった。

カンバセイション・ピース、もう買ってから3週間。ほかに2冊並行で読んでるとはいえ、保坂にしてはあり得ないほど読み進まない。まだ2/3くらい。これは滋養満点の小説だが、でもそれは僕がお金を払うつもりだった保坂の魅力とは違う。僕は栄養価なんて気にしないから口当たりはかなげでスルッと喉を通過し、鼻に香りの抜けてかすかに香りが残るか残らないか、淡い飲み物みたいなジュレみたいな新蕎麦みたいな、そんなのを読むつもりだったのだけれど。カンバ〜には溶けない噛みごたえのある類の具材が多くて、なんか固さだけ間違えたテリーヌかゼリー寄せ(の崩れかけ)でも食べさせられているみたいなのである。それともここでも90年代は終わってしまった、のだろうか。それならそれでいいけれど、それにしても、これじゃ厳然たる食べ物じゃないか。保坂こそ反食物シェフ(笑)の最右翼だと思っていたのだが、それはどうも、僕の思い違いか過去の話のようだ。