ひと月ぶりに、6時間くらいのまとまった睡眠を取ることができた。うれしい。復活も遠からずや、といったところか。深夜に、これから散歩に出る、と草川さんに話したら「怪物くんのドラキュラみたいだね」と言われ、はっとした。ずいぶん特別なことを普通にしちゃっていたのだ。復調のペースにあわせ、暮らしも正常化を図っていかなければならない。公共料金の振り込みにも行かなければならない。あとユメに約束したミックステープを作んなくちゃ。

こないだ大貫妙子の「Sunshower」ばかり聴いている、と書いたが、もうなんでこんなにこのアルバムがぴったし来るのかといえばそれは郷愁というか懐かしさというか「昔よく散歩して路地まで知っている駅にひさしぶりに降り立った」感に満ち満ちているからであり、これこそが俺の人生にやってきた、はじめての本格的なルーツバックである。いやほんと、とうとう来たよ! ひさしぶり、12歳の俺。ルーツィというナマエは伊達じゃなかった。半年くらい前に菊地さんに「ゲンくんは何を作ってもシティっぽくなるね」って言われて、確かにそうなんだけどちょっと参ったなあと思ってたんだけどさ、当然だよね、人は過去から決して逃げられないし、過去以外から何かを紡ぎ出すことはできないわけだ。

俺ね、小学生のときMIDIっ子だったんだよ。MIDIって若い子わかんねえかな。あでもサニーデイとかで掘られた分野なのか。さておき俺の小学校の卒業アルバムを持ってる人は開いて見てほしいんだけど、「ぼくのわたしの好きなこと」みたいな寄せ書きコーナーに、「ぼくのすきなミュージシャンはEPOです」って書いてあるからいやこれほんと目を背けたくなる実話で(苦笑)。あとその頃クラスいっしょだった野口、えーとノグっちゃん下の名前なんだっけ、くんちで、彼のテレコにみんなでひとことづつ吹き込んで録音された自分の声を聴いてゲラゲラ笑う、という遊びをしていたとき、俺は「おおぬきたえこ コパン」と吹き込んでいちばんの大受けを取った。そのとき最も意味するところが解らない文字列だったからだけどそれはさておき、そのカセットテープは彼が物持ち良ければまだこの世に現存しているだろう。なんの話だったっけ。

それにしても長崎に住む12歳のホモペド2003っていう状況は、やっぱり看過できないものがあるんじゃないのか?