森さんとチュミの誕生会をやる場所がないというので部屋を貸す。5時半くらいから人が集まりだし、俺もいっしょに祝いたかったのだが、どうにも体調が優れないため盛り上がれる感じになれず、申し訳ないがジャリと451を連れて散歩に出させてもらう。1時間ほど駒場あたりを歩いたあと、いったんジャリを置きに戻り、夕食に出る。羽前で魚を食べようかと思ったのだが、日曜なのでお休み。日曜はこの辺りのメシ屋全滅(先月できたおまかせ和食8000円の薮原十区は開いていたが、普段メシにはちと高い)なので松濤まで出て、去年できたポルトガル料理に入る。

蛸のサラダから始めて、鰯のグリル、魚介の煮込み、バカリャウのリゾットなど。ブイヤベースみたいな煮込みはもろもろの具を強めに裏ごしており、鰯も内臓まで丸ごと焼いてワイルドな海産物の臭みを供している点に好感が持てるのだが、いかんせんすべてにおいて塩が強すぎて、どの皿も「おいしいねー、でもしょっからいねー」という感じ。たぶんご当地の味は確かにこんなもんなんだろうけど、それは発汗の多いブルーカラーのための食事だからであり、それをそのまま持ってきたところで客の大半はホワイトカラーが占めてしまうところに、この国で異国の田舎料理を本格の名の下に展開することの難しさがある。ワイン開けず水だけで通したので財布も楽勝。帰宅してしばらくするとパーティもお開きになり、彼らが残していったケーキとチーズをつまみながらサーフィン雑誌をめくり、眠気を待つ。