ガスの件を事務所に伝える。プロパン屋が言うには、昨夜の多湿のため給湯器がイカれたのではないか、とのこと。えー? 再現性あるならそれダメじゃん。いずれにせよ昼の教習の間にガス屋が来て、戻ってきた頃にはとりあえずお湯が出るようになった。教習は自主経路設定といって生徒にルートを選ばせるのだが、いかんせんそんなに道路の数がない(笑)。もはや見慣れた風景をタラーっと走る。南総庵、という蕎麦屋の天丼が美味いらしい。それも、5時前の陽があるうちに行かないといけない、たまに夜番で入る職人は揚げが下手なので、そいつに当たったら身も蓋もない。とか、最近は磯から投げで釣る1尺ほどのアジが素晴らしく美味い、反転カゴ、という着水すると上下の向きが変わってコマセを放出するカゴの発明によって釣果が圧倒的に向上した、アジは初夏だ、夏過ぎは脂が抜けて食えたもんじゃない。とか、そういう話。

午後にはスコールめいたにわか雨の中、山道を体験する特殊状況なんちゃら、という教習。山間のワインディングロードを流す。途中、農作業する婆さん連中、特養老人ホーム、そして火葬場に連続して遭遇し、教官が、ここは至れり尽くせりだろ? と笑う。確かに。しかしそれにしてもジジババだらけだ。数も多いのだろうが、それ以上にジジババどもがみんなやたらと出歩くので目に付く。畑仕事、草刈り、海産物にまつわる一見してなにをしているのだかよく判別できない作業、そして井戸端会議に買い物、と、とにかくじっとしていない。だからなおさら動けるまま歳をとっていき、そして町がジジババだらけになる。別にいいんじゃないか? これで。ちなみに教習コースのお地蔵さんに、いつも寄り掛かって道を眺めている精薄の坊主がいる。坊主といっても30代後半らしいのだが、ジャージ姿で日がな、なにをするともなく。たまにいないと寂しい。老人を彼と同ジャンルにしてしまっては怒られるだろうが、いずれにせよ閉じこめておく、ということをあまりしないのが地方のスタンダードなのだろうか。

さて、朝は移動の疲れで寝過ごしてしまった海へ。タラタラした小波だが、何にせよ入れることがうれしい。今日は雲が厚くて、日没のずいぶん前から辺りがどんどん暮れてしまい、あまり遅くまで入ることができなかった。やはり赤白ロングの坊主の人と最後ふたりきりになる。テクニカルな向上は一切なし。というか、波のせいも多分にあるのだろうが、あまり横に走れずヤキモキさせられる。なんだよまた逆戻りー? と思いながら、なんとか小さいコンディションでも走り抜けられるヒントを探すのだが。3歩進んで2歩戻る、ではないが、上達の歩みはあくまで遅く、だからこそ面白い。だいたい考えてみると、1時間海に入っていて、ボードの上に立ち上がっている時間、というのは合計しても1分もないんじゃなかろうか。ニントモカントモ。<59回目>千倉、弱オフ、トロトロ、膝、2時間半。

写真貯まっているので明日ぐらいに過去分も追加していきます。