バクダッドの秋葉原俺ニュースより)
やや短絡的なきらいがあるが、素晴らしいレポートであることに変わりはない。

一発目にササマのネタだかマジだか判別つきがたい、いずれにせよエラい高度な書き込みがあって一瞬凍り付きましたが(笑)、BBSは順調に滑り出したのでひと安心。みなさんは愛に溢れた講師であり、俺は出来の悪い生徒です。この調子でレクチュアが継続されることを希望します。サンキュー。あと石本が言ってたけど、俺のこと買い被ってる人いなーい? 「こんな基本、ゲンはきっと見てるはず」なんて思ってるんなら杞憂もいいとこだからちゃちゃっと書き込んでねー。今日はベティ・ブルーとグラン・ブルーの違いがわからず(ともに未見)笑われたくらいなんだから。ユノウー? 頼むぜ。

たとえば16歳の男の子に、ハウスでもムンでも何でもいいんだけどDJになりたいんだけど、って相談を受けたとしたら(22歳には受けたことある。それはちょっと困りものだと思ったのだがどうか。いや人のこと言えないか・笑)答えは決まっていて、まずバイトか親を騙して20万貯めよう。10万でテクニクス2台とヴェスタクスを買って、あとの10万は他人の薦めるままにレコードを買う。一気に買って、そして全部聞く。10万円突っ込めば、たいていのジャンルなら自分の嗜好を同定することができるだろう。ハウスならガラージなのか、ディスコハウスなのか、フレンチなのか、クリックなのかハードハウスなのかバトゥカーダなのか判断できるようになる。あとは半年でも1年でもかけて、100万円分そのジャンルを買えばいい。芽が出るかでないかは知らないけど、そのとき間違いなく何らかの形でDJはしてると思うよ、と。

それで言えば(もちろん俺は映画評論家になりたいわけじゃないけど)、現状俺は自分の嗜好どころかそのフィルムがテクノなのかハウスなのかソウルなのかすらわからない状態にあるわけで、レンタルビデオは1本3、400円だから、とりあえず3、4万、みんなの言いなりに突っ込んでみようと思ってる。そしたら大ジャンルにおける自分の好みが判別できるくらいにはなってるだろう。そしたらそのあと30万はそのジャンルに突っ込むよ。当該ジャンルに詳しい人にレファレンスをお願いすると思う。お気に入りの監督くらいは見つかるだろう。その後は? あとはできれば40年くらい、好きにやらせてもらえたらうれしい。いまから楽しみで舌が鳴るよ。お勉強くさいって? そうよ、俺お勉強大好きなの。もひとつ言わせてもらえば、楷書が書けてから草書に着手しましょうね、と(一応五段)。

今日も一日仕事。嘘を吐いてしまい(子供か・笑)Kさんにこっぴどく叱られた。Aさんから電話、一緒に夕食をとる。だんだん普通に話せるようになってきたけれど、やっぱりまだ固くなっている自分を発見してうんざり笑う。3分で打ち解けられる相手もいれば、10年経ってもぎこちない関係だってある。まだ楽しみが十分に残されてると思えば後者も捨てたもんじゃない。3分で打ち解けたあと50年後付き合ったらどこまで行けるのかにも興味あるけどね。

さて、昨日ちらっと書いた自分史-R/RWという話。人はなぜ自分史を書き換えようと、捏造しようと、再構築しようとするのか(しないのか)。たとえばこうだ。「ねえ、そんな詰め込みでビデオ見まくって何のつもり? 高校生の頃からカイエ読んでアテネ通ってましたって顔でもしてみたいの? 僕が中学生の時分には、名画座に忍び込んでは名作をタダで見まくったもんだよ、とでも言ってみたい?」そんなわけじゃないさ。ただ、うーん、失われた過去を取り返したいって気持ちがまったくないかといったら嘘だけど。でもそこで自己暗示かけまくって、ベルリン天使の詩は中1のときパパが連れていってくれて、なんて述べられるほど僕は器用じゃない。「そもそもそれキモいし。流行らない」まあね。親父、パパってルックスじゃないしさ。

「じゃあ何、追いつきたい映画通でも誰かいるの?」うーん、人並みでありたいとは願うかもしれないけど。「こないだスケボー買ったとき、着る服がない!って半日騒いでたじゃない。あれもワナビー人並み?」かもね。あんときは悩んだ。あれこそ自分史リライタブルって話だ。結局どうしたか知ってる?「ジーンズ履いてやったって」そう。66の501出してきて。何を考えたかというとね、まずさ、ダボダボのスウェットやブカブカのパンツを買ったところで、似合う歳でも顔でもないじゃない。「その歳でやってる人も多いけどね」それはその人の顔が西海岸向きなんだよ。とにかくそれでもスケボーは手元にある。で、とっさに考えたんだけど、こういうのはどうか。

つまり10代ないし20代にはスケーター的ファッションに身を包んで興じていたけど、もう落ち着いてスタンダードなアメカジを着るようになったWarp卒業生、の、コスプレ。「それで501にスノーニット?」そう。「誰か騙せた?」いや、誰にも会わなかった。「会ってもヘナチョコなら一瞬で見破られるじゃん」いや、そこで自己暗示だ。まず自分で信じてしまうわけ。もうオーリーの高さに血眼になる感じじゃないっす、コンビニへ行くのに流してまっす、ダボパンも卒業したっす、って。するとどうだ、「上手に乗れるとでも?」ダメかな?「だってコケたんでしょ?」はい。思いくそ。「そりゃそうよ。なんでコケたかわかる?」下手だから。「ブー。正解はね、自分の過去がWarpくんだったらヤだなあ、って思ってるから」えー?「在学はしたくないのに卒業生にだけなりたいなんて虫が良すぎるのよ」そうかなあ。

「さっきの映画の話だって同じじゃない。高校大学と映画ばっか見て過ごすなんてヤでしょ? なのに高校大学と映画ばっか観てきた人、にはなってみたい? それが人並み? 狂ってる」狂ってないよ、みんなと映画の話したり駒沢公園でスケボーしたいだけで。「それには過去が必要なんだ。カラキくん全部過去の話で済まそうとしてるでしょ。ひょっとして今まで話してきた過去も捏造してない?」ぜんぶ嘘だよ。ぜんぶ俺の作った話。俺は、例えば何かひとつ、あることを知るでしょ。それは必ず何年か前に知った、何年か前から知っていたことにしちゃうの。「それは何かの見栄えに寄与する?」するね。あらゆる早熟を俺は奨励、、、たいへんだ、タバタがやってきた。リライタブルな自分史って話までぜんぜん到達しなかったけど、このおしゃべりももうおしまい。海行かなきゃ海。わーウェットー。