まずね、えーと、免許とクレジットカード入ったカードケースをなくした。これは31日の晩だと思う。そんでね、えーと、全身が痛くて動けない。元旦に実家に帰ったくらいから怪しかったんだけど、実家で身体を緩めてしまったら帰れなくなる、との恐怖感から実家を2時間ほどで退席し、帰りモノレールに揺られてるくらいからもう、なんつうの、体調崩れますよーって波にザバーンザバーンと洗われている実感があったものの帰宅するまで堪えて、そんでソファに倒れ込んだら起きられなくなった。9度はないと思うけど8度は超えてる感じ。ずっと。面白いことは重なるもので、わが家で唯一の実用暖房と呼べるガスファンヒーター様の調子が思わしくなく、3分も運転するとオーバーヒートのサインが出てストップしてしまう、というマシントラブルにも見舞われ、要するに新年早々コテンパンだ(笑)。

それでも全身の鈍痛を奮い払ってコンビニへ行こうとすれば、降りた階下のポストにはもうすげえ悲しい年賀状が届いていて、これがいちばん痛手となった。これまで幾度となく都下唯一の俺認定癒しスポットとか、時間軸の遅延操作にかけては唯一無二なスキルを誇るとか書いてきた下北TのKちゃんから、春を目処に実家へ帰ります。という報せで、読んだ瞬間、よろめいてガラスに頭打った。もうほんとに寂しい。困る。結婚を申し込んだら思いとどまってくれないだろうか。一戸建てを買ったら実家ごと引っ越してきて店を続けてくれないだろうか。地殻変動で九州と東京が通勤圏内にならないだろうか。ああ東京が。フェアモントがなくなったのなんかよりよっぽど。草木が。花壇が。砂漠化が。ほんわかタイムが。食い止めなければ。事情も知らないで言うもんじゃないだろうけど。ああ。息が熱い。擂りこぎで打たれたように背中が痛む。悲しい。なんて甘美な。

熱は下がる気配もない。しまいこんでいたホットカーペットを引っ張り出して、そこに被せた布団にくるまっていまこれを書いている。さっきまでは動物の森をやっていた。ホットカーペットもブツモリもあべくんからの借り物なので、お礼の電話を入れたのだが朦朧としていてうまく用件が伝えられたのかまったく心許ない。ゴミをかたづけなきゃ。服を畳まなきゃ。熱を冷まさなきゃ。渋谷のマツキヨまで行ったら開いているだろうか。考えてみれば明日4日はタバタが帰ってくる、ということは海開きだ(爆笑)。行ったら治っちゃうだろうか。肺炎でも併発するだろうか。午後に一瞬目覚めたとき、キムタクがさんまにサーフィンをレクチュアするという番組を見たなあ。ロングなんだね。なんかアメリカのでっかいバンに乗っていて、ああああいうのならロングも車内に積めるんだって思った。

ああそうだ、クレジットカードの遺失届を出さなきゃ。銀行も止めなくちゃ。免許また再発行行かなくちゃ。こないだ再発行したばっかりだから怪しまれるだろうなあ(6回目)。そういやオンライン決済の支払い大丈夫かしら。名刺入ってるから誰か届けてくれないかしら。これぞ「メニエールで入院中」って感じで視界がぐるぐる回る。ホットカーペットの暖かさは電子レンジ的な難しさがあるね。なにか無理をしていたのだろうか。それともすべてが無理だったのだろうか。さすがに心細いかと思うとそうでもなく、熱を口実に好きな子や昔の彼女を順繰りに呼び出せないだろうか、とかそういうことばかり考えている。もう少し熱が上がれば。抜け出せるのに。ああ、Kちゃん。息が熱いよ。