ROOTSY!はこの歳の瀬をもって20世紀末とします

まだ27日の宵の口なのだが、すごい年末になっている。毎年言ってる気もするけど(笑)実際のところ年を重ねるたびに最てんやわんやを更新しつづけているのだから仕方あるまい。躁状態でガーッと一日わやわやのまま過ぎていき、気づいたら電池が切れて寝て、そして充電が終わると同時に目覚めている。完全に興奮しっぱなしで、海に行けば海の波、街に行けば街の波をもろに浴び、巻かれて、たまにほんの一瞬だけ完全な沈静が訪れ、そのときの空虚漠々たる心中や史上存在したあらゆるPAのダイナミックレンジを優に超えており、自己観察が追いつかない。目も耳も感度が底上げされており、瞬間瞬間で気づきと兆候がドバドバ押し寄せ、あらゆる思惑は用をなさなくなる。過去がガンガン還元されていき、未来は一切のイメージを伴わないままあらゆる局面に降り注ぐ。グズな俺のところにもとうとうやってきやがった。これが世紀末だ。

きょうは朝っぱら鮫洲に行き、再発行(5度目・笑)した免許証を持ってその足で渋谷警察に出頭。交付を待つ間にジャリを連れて運河沿いを散歩し、南向きの堤防に寝ころぶとそのまま寝入ってしまう。通りかかった犬にジャリがひと吠えした声で目覚め、辺りを見回すと、足下の水面には鴨が15羽ほど、右肩のあたりには羽を膨らませたドバトが20羽ほど佇んで日光浴をしており、これに俺とジャリの2匹が加わって、しばし東京湾岸ひなたぼっこ防衛軍の隊列が組まれることになった。なんだこりゃ、ナウシカか(笑)。動物が寄り集まってくるからといってブッダはおろか人格者ですらないことが、太陽神の名において証明されたわけだ。あとこないだ俺におちょくられてた市川クンだけど、照明の下で見たらもう、生まれそこないと言っても過言じゃないちんちくりんな坊やで、すごく気の毒になってしまった。全社会的な警察不信の原因は汚職や制度にあるわけじゃなくて、よほど事情がないと警官になんてならない、という事情だけだと思った。いつ頃から警察は可哀相な職業になってしまったんだろう。あなたのクラスに、警官になった子はいましたか?

帰り、目黒のフレッシュネスで軽く食事を取り、いったん帰宅して午睡。2時間ほどで目覚めて古今に寄り、スーパーで買い物をしてから郵便局で小包を出す。あと銀行、100円ショップ、アイスクリーム、スタバで豆。100円ショップは足を踏み入れるの2度目なのだが、すごいコーナーを見つけて発熱した。工具。へんなバインダーとかノーブランドの電池なら十分納得が行くんだけどさ、ロックプライヤーとか大きなゴムハンマーが100円ってのは、そのクオリティの低さを差し引いても目眩がしてくる。それと100円均一によって財の価値が無化されていて、2m、3m、5m、7.5mの巻き尺がずらり並んでどれも100円という光景には爆笑を禁じ得なかった。このダイソーってのは世に出てきて5年くらい経つの? これはすごいな。完全に狂っている。食べ放題の比じゃない(ちょっと前に椎名にしゃぶしゃぶ食べ放題というのに連れて行ってもらって卒倒しかけたのだが。100円ショップを見るまではあれも十分インパクトだった。殺され放題(笑)。やはり肉は並んで買うのが美しいと思う)。

100円ショップの袋を提げて帰宅して、ごみ収集がお休みになる前に部屋の掃除。2時間ほどかけて悦に入ったところで、ふたたび古今へ。今日は忘年会なのだ。1時間ほど飲み食いしたところでリョウタさんから電話が入り、これがその後のグランド・クロスの引き金となる。もうこの収束劇、完全にギャグなので書きたいのだが、あまりに煩雑すぎて整理できる気がしない。簡単に言うと、多少の関係性を持ちつつ進行する5本のオムニバスムービーだったはずなのに、おしまいになって登場人物が同じ場所に全員集合した状態。5皿の料理を呑み込んだ胃の中で、俺は消化不良な軽口と薄ら笑いばかり浮かべていたよ。なんて恐ろしい、なんて逃げ出したいシチュエーション。愉快極まりない。なんだかんだあって登場人物は全員退場し、残された俺とリョウタさんで三たび古今へと戻る。あーだらこーだらしゃべったあと、隣のテーブルにいた人が向かいのカルト教会の信者ということが発覚し、やめときゃいいのに、なんか世紀末のわやくちゃ気分で歪んだサディズムが発動してしまい、ああやめときゃよかったエーン。脳が不自由な方が懸命に哲学やハイカルチュアに追随しようとしているさまは、一種カルチュラルなパラリンピックを見ているような気持ちになる、とのたまった人がいたが、えーと、それ。