今週の買いっ被り、という話。ネタはモーニング「週刊石川雅之」。ちばてつや賞をとった若手作家が1話完結を10週連続掲載する企画で、初めて目にした「バス停」がなかなか秀逸なストーリーテリングだったので気にして読んでいたのだが。3回目まではメタ構築に重きを置いた、少しブルトン方面の匂いも漂うナンセンス短編仕立てが続いた。そんで引っかかったのは先週の第4回。行き詰まり感満載OLが流しの花屋を営む風通しよさそうな女と出会い意気投合、という話で、「バス停」に共通した日常への着地感は清々しいしディテールもそれなりに読ませるんだけど、とにかく尻切れトンボ感というか、前回までに通底したどんでん返しのオチがないままいい話で終わる。で、もうこれはめちゃくちゃ居心地が悪くて、すごい不安にさせられた。

ひょっとして俺がオチ拾えてないだけなんじゃないだろうか? それともオチありギャグだと思ったでしょうがどんでん返しはなくてただのいい話でーしたこういう作風もあるんすよフフフ? 1話完結を謳っておきながら4回目にしていきなり連続ものになっちゃいますエヘヘ?(これが個人的にはいちばん濃い線だと思った) それとも何、ほんとにただのいい話でおしまい?! まさかこの判断保留の時間が意図なの? ひょっとして全般に流れるニューミュージック臭自体が笑い? まるっきりのミスティフィカシヨン? エトセトラ。ちなみに今週は「ハナっからオチは見えてるが語り口だけで最後まで読ませる」って荒行にトライしてそれなりに成功してるし、どこまで本気だかわからん。

と思ってグーグってみたら上にリンクを張ったとおりサイトを持ってらっしゃって、掲示板では読者の書き込みにごていねいにレスを付けてらっしゃる。で、えーと、愕然(笑)。コメントから察するに、先週のはただのフォーキー90年代的日常発見の話に過ぎなくて、尻切れトンボ感は単純に構成の拙さによるものだったっぽい。今週のも、さっき書いた「ハナからオチは見えているが〜」なんて意図はまったくなくて、ご本人は本気で書いてらっしゃるみたい。うわー。この経験でわかったことといえば、俺がいかに偉そうで悪質な読者になっていたか(SFファンのこと言えん)ということと、広義のクリエーター諸氏はサイトなんて持つもんじゃない、ということだ。苦笑しか出てこない。でも画風は好きなので応援してます(何をいまさら・笑)。

今日はタモ起床。ちょっと用事を済ませてから交番に遺失物届けを出しに行き、ファックスのリボンを買わなきゃと思ってビッグカメラに行くが、そうだった財布がない。カードがない。現金がない(笑)。家に帰って通帳と印鑑、ってもう3時過ぎとる。しかたなくリョウタさんに電話して新オフィスまで出向き、金を借りる。いっしょにパルコのオンライン古書店顔見せ興行を覗きに行く。文庫でしか持っていなかった古井由吉「眉雨」のハードカバーが500円だったので購入。その後下北へ行ってジャリのフードを買い、そこらへんをつらっと流して帰宅。2日ほど半オフが続いたが、今日から火曜まではふたたび全力疾走に入る、というインターバルトレーニング気取り。週末サーフィン行けるか微妙。海のことを考えて街の原稿を書く毎日。

今週のとがし最高。心から待ち望んだ単行本が11月22日に出る。

うちのデスクトップ絵に決定。サイトはここ。ネタ元はCCN。