もう11月になろうってのに日焼け跡が痛いってのはなかなか得難い体験だとは思う。1ヶ月貯め込んだ資源ごみをようやく出せた。最近家事で凝っているのは圧倒的にはたきで、布のものと、梱包に使うビニールひもを細かく割いたようなものとの二刀流で、スナップと入射角に留意しながら、開け放った部屋に存分に埃を舞わす。1週間に1度くらいしか使わないのだけれど、局所的に見れば薄い埃が除かれただけで大した変化は認められないのに、ひと通りかけおわって掃除機を済ませたところで見渡すと、部屋全体の色彩がガチンと覚めたものに見違えるのが痛快だ。細部と総体。

埃退治に興が乗ってしまい、いつもメインで座っているポロックチェアとソファのクッションをベランダに持ち出して、はたきの柄で埃を叩き出す。存外に大量の埃が舞い出し、硬質な秋の風に乗っては消えていく。調子に乗ってバカスカ叩いていたらチェアの肘掛けに柄が触れ、パキンと軽い音を立てて砕け散った。ウーララー。まだまだ掃除熱は覚めやらず、ウェットスーツを陰干ししたり、床に水ぶきかけたり、玄関のたたきを掃いたりしていると電話が鳴って、Kさんから仕事の催促だった。うわー、家事、時間経ちるのはやすぎり!

夜に青木が友人を連れて来宅。余らせていたウィルクハーンのイスを、最近うちの近所にオフィスを構えたナントカ君というご友人が引き取ってくれるとのこと。気に入ってくれたようなので譲ることにした。そんな最中に、忘れていった本を回収に山口が来宅。テンポも内容も圧倒的にズレたトークで初対面のふたりをビビらせていた。青木たちがイスを持って帰り、山口も帰ったところでふたたびダラダラと仕事。そういや今日はうっかり山口に仕事の愚痴を漏らしてしまい、失敗した。ああいうのは口にした瞬間に凝固して実体化するもんだから。詮無いことは言わないに限ると最近本気で思う。