というわけで、1年足らずの「のんびり・のんき・のらりくらり」は終わりを告げ、「テンパリ・ロンパリ・ボッタクリ(詩人には向かないとほとほと思う)」ライフに昨日から突入した。今日も朝からバタバタと企画を考え、所用があって山手通りを走っていると美咲がチャリを漕いでたので呼び止めてためらいなく後ろから轢き殺し、その逃げる足で目黒に出て阿部と昼食をとった。北インド料理店でカレーを食べたのだが、これが抜群に均整の整ったウィークポイント・レスな仕上がりで、しかもジャリのおかげで店外のウェイティングシートで食べさせられたので、台風一過の青空と泣けるような涼やかな風のマッチングにより、ちょっとした小旅行に勝るくらいの幸福感に包まれた昼食となった。

こないだ食ったエスニックで受けた精神的ダメージが一気に吹っ飛んだ気にすらなったが、よく考えてみると、{仲良し×良い食事}<{好きな人×ゴミのようなメシ}、という不等式も成り立つような気がしてきて、デート産業に美味なし、の金言のみが心に重くのしかかる。あの人はあのゴミのようなメシをどんな気分で食べたのだろう。俺は、君と食えばどんなメシでも最高の食事になっちまうよ。このミラクルが、デート産業にまたゴミを増やすのか。

いったん帰宅し、慌てて着替えて仕事へ。今日はめずらしく取材。仕事に差し支えるので内容には触れられないが、えーと、被害者ヅラして自分の作品について語るのは誰に対しても失礼、って感じかな。あの会社ほんとに潰れちゃうかも。東京タワーを1日に3回掠めて市ヶ谷へ移動。ひさびさに長い長い打ち合わせ。同席した男の子が俺と同い年なのにぜんぜんすごくスレた感じがなくて誠実でがんばりやさんだったので、自らを恥じると同時に適当に済ませちゃったら失礼な気がして、ちゃんと考え抜いた。終わって急いで帰宅、遅れ気味の仕事を慌てて済ませて、これから連載の原稿が1本待っている。その前にモーニングを買ってこようか、書いてから買いに出ようか迷っているところだ。迷っているうちに眠気がやってきた。しかし寝ないぞ。寝ると死ぬから。