まあ例によって世間はワールドカップなわけですが、えーと、僕もです(笑)。緒戦のフランス戦をテレビで見て感じたのはなにより、これがワールドカップなのー? って接地感のないふわふわした感覚で、あれはたぶん、映像の画質によるものじゃないかな、と思った。例えば地上波の画質って、味つけや電波状況によって各局で異なっていて、うちのテレビで見ると、日テレとTBSなら日テレの方が彩度もコントラストも高めで、TBSのほうが全体に明度が高い。ヘヴィーローテのCMが、複数局でシンクロ放映されているときにザッピングしてみればすぐわかる。

そんで気づくのは、その放送局の芸風と画質を、僕らは関連づけて認識してはいないだろうか、ということで、たぶん僕らは知らず知らずのうちに画質のトーンを嗅ぎ分けて、一瞬見ただけでその内容を類推していたりするんだと思う。もっと局所的で顕著な例では、大映ドラマのざらついた画質を見ればその内容までわかってしまうだろう。同じように、ヨーロッパか南米のゲームをいつもローファイで飴色がかった映像を通して見てきた僕らにとって、日本や韓国のクリアで色温度高めな画質は、どうもワールドカップって言葉に馴染まないのだ。正直、たまに国内でやってる国際親善試合を見ているような気分になってしまう。

デミタフィハルコそんでアチャコさんの古本バザーへ。広尾の日赤からデプレに下る坂のケヤキ並木が目に眩しいこと! 悲しいほどお天気というか、オープンカーの幌を外したい気分でいっぱいになる。スタート40分後には着いたのに、お目当ての本はあらかた掘り尽くされていて、乙女たちの荒くれっぷりにあらためて驚かされる。牛久保ともえぎさんに会った。帰りは利庵でせいろ。わらびもちで幸せ。格子から見える外の陽射しが鮮やかで、まだ6月なのにサマージャム気分さえ盛り上がる。