BOKU WA SAANBYOUSHI GA DAAISUKI DESU!!!

タモ過ぎにモーニングコールを頂戴し、新宿にてピナ・バウシュ/ヴッパダールのマチネへ(タイトルは劇中のセリフより)。踊り子さんたちはみんな、肌も骨格も写真で見るよりずっとずっと綺麗でビビる。ことステージものに関してはレンジが追いついてない写真が多いのかな。記録意識が先行してしまうせいだろうか。

基本的に僕は演劇やダンス一般がかなりダメなほうで、なんでダメかというと見てるうちに逃げ出したくなっちゃうからなんだけど、たぶんそれは等身大(心理的に、ではなく物理的に)の人が等身大のまま演じる、という状況そのものがキツくて、ミュージカル映画はエンジョイできるけどミュージカルはダメなたち、といえばいくらか伝わるだろうか。レンズやアンプで加工されていないロウ・ステージは僕にとって、西洋人にとっての刺身みたいなもんなんだと思う。

それでも、旧来のダンス文脈に対するいろいろな脱構築のアイデアのおかげで、かなりエンジョイできた。ややもすると陳腐に思えるメタファや意味付けが眼に飛び込んできたりしても、大胆なモーションやドレスのドレープで麗しさに昇華させられちゃうのもズル良さげだ。トゥッティ(ダンスの用語では何と言うんですか?)がほとんどなかったのは残念で、その点で炎のマズルカを見逃したのが惜しまれたけど、イタリア語会話のダリオが老けたような優男さんのソロは、空間を支配下に置くスキルにおいて目を見張るものがあった。

ロビーで会ったのは大河原&阿部(not++、notカミネット)さん、茶山さん、楠田絵里子、森&石本など。いやアンドロイドは友達じゃなかった(笑)。終わった後、近くのウイグル料理店に流れて軽く食事を取る。カワプ食った。ちょっと上品すぎるアレンジだけど、たっぷりクミンがまぶされた羊肉はひさしぶり。また来て、今度は全身の汗腺からスパイス臭が染み出るくらい平らげてやりたい。新宿からタクで西落合、ソファの引き取りに。諸事情により(笑)ソファがひとつ減るので、もう少し大きいのを譲ってもらうことになったのだ。

呼んでいた赤帽が約束の時間よりずいぶん先に着いてしまっていたらしく、ほぼオンタイムなのに大遅刻みたいなムードになっている。軽トラックの助手席はリクライニング・レスのぺなぺなシートで気分がいい。室内にボディが剥き出しだったり、ウィンドウが手回しだったり、いまや作業用車にしか残されていない、ゴージャスの対極を行く軽快さが僕は好きだ。元気になるし、外気ともとても仲がいい。赤帽さんと2人で4階まで一気に運び上げる。小さいのに体力がある、と感心され、とんでもない足遅いしノーコンですって、と答えると、体力ってのはそういうんじゃなくてこういうのを言うんだ、と太ももをはたかれる。ちくしょうそんなに太かったか。

預けていたジャリを迎えに行き、その後バーベキュー&サッカー観戦。しかしサッカーに夢中になっているうちにメインの地鶏がなくなってしまい、もんのすごい不機嫌に。昔、会食の席で「冷たい烏龍茶で中華が食えるか!」「なぜにお前の肉のほうが大きい!」と大声で叫んだ小学館のKさんという方がいらっしゃったが、その人並みの大人げなさで不貞腐れてみんなを困らせる。叫ぶか黙るか、のあたりに度量の差が出ているような気もしないでもないが。帰宅していったん仮眠。2時頃起きて5時までソネで飲む。明日の来客に備えて少し部屋を片づけてるうち、古い方のソファで寝てしまった。