昨日は久しぶりに簡さんに叱られた。

早朝、どこに向かうでもなくひとり小田急に乗る。車内の床に切れ込んでくる陽光、各駅しか停まらない駅のホームに草いきれ。小田原まで行ってもいいくらいの心持ちでいたのだが、鉄橋を渡るときのひらけた視界で胸がいっぱいになり、登戸で下りる。駅前からして建造物が疎な感じ、空が広い。コットンのニットを脱ぎ、歩道橋を渡り、ほどなく河川敷へ。土手を上ると、ああ、多摩川だ。よかった。

遠くの水門に鯉のぼりが連なって流れてる。陽射しが強い。足を伸ばして斜面に座る。釣り人たち。気が抜けた。無性に泣けてきやがる。

岸辺まで駆け下りて水に触る。鯉の乗っ込みシーズンなので足下に50センチくらいのが数匹揺れ揺れと泳いでるけど、誰も釣れてやしない。大きめの岩に寝転がる。5月の午前中なのに30度を越えそうだ。鉄橋を越える音、空、雲の流れ。雲の流れ? えーと、映し川を越えてく私鉄! あの人はやっぱりすごいや。

夢が夢ならそれでも構わない、ってな。