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朝、かつての居候主であるところの森様よりメール。「君に必要なのは状況を理解し記述することではなしに、ただ対処することだ」と書いてある。自己言及と拡張意識にまつわる苦言を兼ねたアドバイスだと思い昼過ぎまでひとしきり考える。確かに僕はものごとを分析したり描写したりすること、しかもそれを他人に見えるところに掲げることによってそれに対処までしたような気になってしまうことが多く、まだ人間の歴史に現れて日が浅い、人格をコンビニエンスに拡張しては捏造してしまうこの日記って形態の弊害みたいなものを感じることは少なくない。

たちが悪いのは、対処すべき相手が人で、その人がこのページを読んでいたりする場合だ。相手がこちらの記述を読んで何らかの情報を受け取り、望ましい影響を受け、あたかも対処がなされてしまったかのような思いこみを抱いてしまうことがある。というか抱きがちだ。簡単に言えば、ケンカの仲直りしなきゃならないのに日記に現状分析とそれへの言い訳じみたことを書き付け、相手はそれを読んでなんだかこちらの都合をわかってくれたんじゃないだろうかという気になって、言わなきゃならないことを言わないまま過ぎる、というパタン。実際には何一つ進展していないどころか状況は悪くなっているというのに。現実に言及することによってリアリティが剥落していくという皮肉。

さらにたちが悪いのは、衝突した両者がともに日記を付けており、しかも互いの読者だったりして、勝手な思いこみを双方が抱きつつ対処のないまま関係が進行してしまうことだ。これはかなりバカバカしいが、実話だっつうんだから泣ける。かつて一緒に住んでいた人と関係が悪くなったとき、部屋ではほとんど会話がなく、しかし言いたいことを互いのウェブ日記に書き付け合い、相手が寝たり風呂に入っている間に覗きあう、という世紀末的な（いやほんとに世紀末だったんだけど・笑）状況に陥った経験がある。書き付けられた内容については、相手の真意よりどう読みたいかという都合でしか読み解けていなかったように思う。お互いに誤読。まあ実際になされるべき対処が一切欠落したままさっさと破綻したわけですけど。

自己言及とその不特定多数への瞬間的掲示、というわけのわからない状況がもたらすディスコミュニケーション。失敗しまくりのインタラクティビティ。そんなことを考えつつ、ところでなんでこのタイミングで森さんはメールしてきたんだろう、と思って電話。代々木公園で騒いでる最中というので赴く。ねーあのメルー何よ？「あ、ゲン除霊まだしてないでしょ。早くしないとダメだよー」そゆことでしたか。

代々木公園に向かう途中、ハットの音が聞こえてきて、またレイヴかよ（ＦＴ）とかって思いつつ近づいていったらすーごいタイプなハウスだった。というかあれは何、Body&Soulの余震みたいなもん？　スピンしていたのはこれがまたいい感じで男気入ったかっちょいい女の人で、ロータリーフェーダーぐりぐりやってる姿が凛々しかった。３曲聞いたけどすべて好みでビビった。ああいう人たちはどこに行けばいるのだろうか。いや、知ってる気もするんだけど。

その後山手通沿いで地鶏バーベキューに参加して、スターウォーズ見て、古今に顔出して、飲みに繰り出して、またもや他人様交えて寿司皿積み重ねて（先日山手線で偶然再開したＫさんとまたもや遭遇）、もっかい古今に顔出してから帰って寝た。くたくたのよれよれだ。