雨。シェーバーが見つからないため、たまにはいいか、と思って無精ヒゲを伸ばしてみたけれど、中途半端に薄くてどうにもカッコがつかない。雨、無精ヒゲとくれば読書でアンニュイ3点セットとなるわけだが、同居人が買い物に出かけたのをいいことに「イノック・アーデン」を声に出して拾い読んでみたり、66年の未来予測本「2001年の日本」を床に転がってぱらぱらやってみたりと、読んでも読まなくても一緒のような気の入らないスタイルで1日過ごす。とても気持ちがいい。

いつだか書いたけど、ちょっと前まで僕はすごくせせこましい、あさましい読書しか知らなかった。いつもこころのどこかに「読んでためになる」みたいな学研的発想が貼り付いていて、流し読みなんてもったいないと思っていたんだから冗談みたいで笑う。そっちのほうがもったいないっつの。めくっている時間が気持ちよく流れていくことが、系統立てて作品を理解したり、何かがわかった気になったり、新しい知識を得ることよりも上位に置かれるようになったわけだ。肩の力が抜けたんですかね、年のせいで。晩、SVの深沢さん来宅、3時間くらい適当なことをしゃべって盛り上がる。同い年と聞いてびっくり。

イブニング・木葉功一「クリオの男」に致命的なミスキャプションあり。誤記・誤植の類ではなく、知識もないのに物語の筋から勝手にあり得ない概念を類推・捏造した挙げ句、説明した気になっている、というタチの悪いもの。いかにも僕がやってしまいそうなご都合主義の知ったかぶりなだけに、うわー気を付けなきゃ、って思う。いずれにせよ、マンガ本体の出来がよいだけに、こんなことで気を削がれたのがひどく惜しい。