近年出会ったことのない凶悪なインフルエンザに見舞われる。3日の晩から全身に強烈な筋肉痛。目覚めると悪寒そして下痢、つうか水便。絶え間ない差し込みに顔を歪めつつも原稿が一本残っているのでとにかく書いて送る。正直、書いただけ、という感じ。いい企画だったのに申し訳なくなるが、もうダメ。ベッド。腹は痛いし首も背中も手首も膝も痛いし頭は痛いし、あれー、風邪ってこんなキツかったっけ? って思う。僕は外傷の痛みには割と対処の仕方を知っていて、それは要するに心頭滅却系の心持ちでしかないんだけど(笑)、この皮膚の中が痛い、というのはほんとにまんじりとしないというか、えーと、ツライなオイ。

ヨメが帰ってきてプリンとか食わせるんだけど、くだらないことを言ってないと気を失いそうで延々うっちょんぷりぷり☆とかわけのわかんないことを言い続ける。暮れてから上がる一方の熱は、8度9分、続いて9度5分まで測ったところで、あんまり怖がらせても可哀想だしもう測るのを止めさせた。27年も生きてりゃ風邪の治し方くらいある程度わかるもんだし、オーソドキシーな発熱→発汗→スッキリみたいな流れもわかってるはずなんだけど、あまりの高熱に今度は心臓が痛み出して、発熱の段階で心肺がついてこられるか心許なくなってくる。僕は狭心症の気があり年に何回かひどい胸痛に襲われるんだけど(こないだは安部くんとチャット中に死ぬかと思った。そこで僕が胸痛を動悸と取り違えていたことを指摘してくれた安部くんに感謝)、さすがになんつうの? ダブルパンチみたいのは参るなあ。

悪寒は絶え間なく全身を覆い、いくら着ても掛けてもまだ寒い。歯がガチガチ鳴る。最初冗談でやってるんだと思ってたみたいだけど、ガチガチが止まらないんでびっくりして救急車を呼ぶとかぬかしてるんで、血液ガッタガタ・バラクーダ、とかくだらないんだかそうじゃないんだかさえもわからないことを2、3言う。たまにトイレに立つが水以外出ない。うわー、タクって日赤でも行こうか。でもそしたらジャリはどうしよ、日赤の向かいのバーに預けようか? いやいや、それはいくらなんでもあまりにひどいし、あの店で熱出してるなんて言ったらテッキーラのショットがすかさず出てくるに決まってる。飲むのか、飲み干すんだろうなあ。そんでフラフラのまま正門をくぐって、救急の子にはなんて言えばいいんだっけ、菊地さんが心臓抜きの日記でくだらないこと言ってたはずだからアレ参考にしよう(追記:正解は「やっぱER見てこの仕事選んだわけ?」)、とか妄想しているうちに意識を失った。

次に目覚めたときは、酷寒のシベリアから一転して猛暑のナイロビ。汗だくだく。よかった。熱は峠を越えたはずだよ。サウナだサウナ。2度着替えて、安心して寝た。それでも腹痛だけはいかんともしがたい。痩せるかな?痩せるかな?とはしゃぎながら差し込みに顔を歪ませる。まいったなあ。