起き抜け、何年ぶりかにアタック25を見る。児玉清の淀みない名調子はソフィスケイテッドの極み、パネル色がかわるときのもーんもーんもーんという電子音とともに当代一のクールネスを醸している。今日は回答者のキャラ立ちもカンペキで、シャルルジョルダンの秘書課お局 vs 主婦3人という構図。主婦3人は、ややエコ入った地域活動に精を出しそうな元通信社勤務、公園のワイドショーものしり博士短大卒、気弱そうに見えるけど芯が強い、と褒めてくれた中学の恩師に対する恋心をいまだに心の宝箱に秘める郊外マダム(ぜんぶ妄想です)。最初っから飛ばすジョルダンにエコが待ったをかけ、逆転に次ぐ逆転劇(途中誰も幸せにならない形で公園博士がポイントを稼いだり)の末、同点で迎えた最終問題でエコが勝つ。

すごいのはジョルダンは赤、エコが緑、公園博士が白、1枚に終わった気弱マダムが青、という、文句なくゴレニズムに則った配色。これがくじ引きで決まったとでも言うのだろうか。しかしキヨシはスーパークール。通常の司会者なら「アタックゥ〜〜〜チャンス!」(ex.タカさん〜〜〜チェック!)とでも叫びそうなキメ文句も、静かでくぐもった音韻で「アタックチャァンス」。終盤、赤と緑に肉迫した白に対し「勝ちの目がない」と死刑宣告したときのキヨシは凄まじい色気を放っていた。あれは一種の貴族精神に近いとさえ思う。出題ムービーに使われるジャパネットたかだのオープニングみたいな安CGを除いては、完璧な日曜の午後の幕開けとなった。さあ仕事仕事。

と思ったらまた熱出した。無理して起きたらまた寝込んだ。

まるで何か大きな波に乗ってしまったかのようにやることなすことうまくいくというシチュエーションは誰にでもあると思うけど、今日はまったく正反対で、なにか大きな淀みに捕まったかのごとく、やることなすことうまくいきゃしない日となった。さらに、あとですべて明らかになっていくのだけれど、すべてのうまくいかないことが結果的には望ましい状況を招き続ける、という皮肉まみれの1日でもある。「わーダメだ! でもよかった!」という泣き→笑いが通層低音、というのは僕にとってかなりのレアケースで、帰宅してみりゃ悪いもんじゃないんだけど、現場での戸惑いっぷりはちょっと対応に困る。「わーダメだ!やっぱダメ!」もしくはその逆なら慣れてるからおやすいご用だ。単純バカ?