リズム!

今年の秋はなんて短いんだろう。点滴のせいか重たい体を起こしてリキッドルームへ。映像キャンプ。追悼ムードの人たちには悪いけど、あのリズムに包まれて身体が動かないわけがない。僕はリズムで身体が動くって、そのことにものすごく感謝している。昔バッキーに言われたことがある。マキコにもミドリちゃんにも言われたことがある。知らない人に抱きつかれたこともある。踊っているときの僕は素晴らしいって。こんな僕でもなんとかやっていけるのは、みんなリズムのおかげなんだ。

ふたりして踊っていたら、前にいた女の子が静かにするよう促してきた。別にたいした暴れっぷりでもなかったんだけど、彼女にとっては多分に迷惑だったんだろう。よくわかるよ。

けど、ここはフロアなんだ。音楽が降り注ぐ、リキッドのフロアの最前列で腕組みしてる君を、みんなを、僕は悲しく思う。恋人の振り上げたこぶしが当たっちゃって悪かったね。でも君がいっしょのリズムを受け入れてくれていたなら、手のひらをパチンってやるだけで仲良くさえなれたのにって思う。そんな笑い話みたいなマナーが息づいてる貴重な場所が、ダンスフロアなんだから。

あとでフィッシュマンズのオフィシャルで僕の恋人のことを吊し上げたボケがいたみたいだけど、それならなんでリキッドが会場に選ばれたのか考えて。黙って眺めていてほしいなら、より条件のいい椅子つきのホールだっていくらでもあるでしょう? リキッドを出るとき、となりにいたアンちゃんに肩抱かれた。何人かの知らない人たちにも声をかけられた。みんなリズムのおかげなんだと思う。

ついでだけど、シミケンがなんであんなにライブハウスに飽き飽きして、「DJ始める」なんてトチ狂ったことまで言うに至ったのか、よくわかったよ。帰り、古今に寄ってお茶。秋の新茶飲み比べ大会。いつもタダでごちそうになってありがたいことです。ギャラ入ったらまたいいやつ見繕ってください。