うしろ向き徒競走

タモ過ぎ起床、やや宿酔い。急いで身支度を整え取材にでかけるも、連絡の混乱により日時を間違えていたことが判明。その足で本郷のNへノートPCの返却。赤坂見附を乗り過ごして銀座まで行ってしまい、丸の内線の乗り換えでえんえん歩かされた。

ABCで立ち読み。今月のリョウタくんの原稿、キツい状態で書いたのがありありと出てる。周囲の評判はこれまでのどの記事よりよかったみたいだけど、あそこまで切実なのをほめられるのは、当人としては不本意じゃないかと思う。自己開示でシンパシーを得る芸風なんて、菩薩には似合わない。男なのにあだ名は菩薩。

ヨドバシでPCカードを買って伊勢丹に寄ってから、MCのロケハン。新しく開通した白金高輪を見てから行こうと思っていたのだが、いきなりの車両故障麻布十番までしか行けなかった。営団ー。

麻布十番の某建築家オフィス。割とすごい額を提示されてガイジンめーと舌打ち。でもスタッフはいい人で世間話楽しかった(まちがい)。六本木まで歩いて都バス、青学近くでもう一軒見る。こちらは条件は合うけどセッティングにやや手間取りそう。悩む。

帰宅すると部屋が荒れている。しかし整頓する気力なし。リョウタさんから電話、いま曽根場なので寄るとのこと。バカ2匹、無駄話。レイディオヘッドの新作、ルイヴェガのミックスCDを聞かせてもらう。前者は作り込み激しいもののなんでこれが20万枚も売れるのかとんとわからぬオウテカ路線。後者は懐かしさとみずみずしさに震える。ハウスミュージックがマニエリスムの時代に入るぎりぎり前の音。

これまで僕は、曲解も含めてマニエリスム的な人間のこころの働きに注目してものごとを見てきた。若さより成熟。荒削りさよりは意匠を凝らす気持ち。ゴッグハイゴッグアッガイ→ジュアッグ→アッグガイ→ズゴック→ゾゴック→ゾックのような、新しさの不在を知りながら挑み続ける枝葉の流れ。ひたひたと打ち寄せる「意味なんてないね」って言葉を振り払うように、意味を付与しつづける絶望的なあがき。

この話長くなるのでいったんヤメ。とりあえず僕は空手やボディビルに行かずに済んでよかったヨ!(はしょりすぎ)
 
あと、まだちゃんと聞いてないけどマイアミにはなにかヒントがあると思う。イビサの白痴っぷりとも、パリの屈折とも、ロンドンの陰鬱とも違う、南のハウス。音圧オリエンテッドなマイアミベースが生まれ、リトルハバナと世界的なビーチがあり、そしてなによりアメリカ本土。リョウタくんに言わせると、アメリカにおけるイビサ的な享楽主義の最前線らしいけどね。生活があるぶん、もう少し違うような気がするんだな。ま、これは予感。