ナタリー時代にお世話になったミムラさんが遊びにきてくれたので、トロリー(半日で名所を回るはとバスみたいなの)乗るかと聞いてみると、生活者目線の町歩きがしてみたいというリクエストがあり、ならばと思ってハブウェイという、町じゅうにステーションがあるレンタサイクルを使って街案内をすることにした。ハブウェイめちゃくちゃ未来なので興味がある人は調べてみてください(そして京都とかでも実装されたらいいな)。

クラムチャウダを食ったりMITの校舎見物に行ったり、あとバークリーの中を案内したり川沿いを走ったりと楽しく1日を過ごしたのだが、夕食後にバックベイを歩いていたら便意を催し、目の前のコーヒー屋に駆け込んでトイレのドアを開けようとするもカギがかかっている。ノックするも返事なし。ぶっちゃけもう、隣のスタバまで移動するのもつらい。ところが5分経っても出てこない。普通ならこれ絶対おかしいぞって思うのだが、ものすごい勢いで便意に耐えているので思考がまともに働いていない。

ああもう人生終わった、ほんとうに終わった…と思いかけたところでキッチンのスタッフが廊下に出てきて、おれの前を横切りざまに「ここレジに言ってカギ借りないと開かないよ?」まじかよ。変な歩き方でなんとかレジまで行って女の子にカギを借り、変な暗黒舞踏みたいな歩き方でトイレまで戻って無事開錠、事なきを得た。人生でいちばんやばい瞬間であった。そしてひと声かけてくれたスタッフは髭面のおじさんだったが、あれはおじさんの姿を借りて地上に舞い降りた天使だったんだと思う。用を済ませ、お待たせしてすいません、とミムラさんに謝った。