朝、ゴスペルラボ。ようやく弾かせてくれた。先週1音も出さずに終わったので心配してたのだ。そして先生の英語が聞き取れない度ナンバーワンなのだった。オマー先生は早口だけど集中すれば付いていける(集中が切れると見失う)のだが、クリストファーはゆっくりなのにほんま何言ってんのかわかんない瞬間がある。きょうはBlessed Assuranceをhymnのシンプルなトライアドのやつから、セカンダリが込み合ったコンテンポラリなのまで数バージョンやった。とにかくパッシングトーンが命で、パッシングトーンを正しく提示することで教会にいる全員が次の小節のコードがわかるよう導かなければならない、という話。

いったん帰宅して楽器を置いて、授業間のスキマに、キャンセル待ちしていた美容室。美容師さんと、ゆっくりなのに何言ってるのかまったくわかんない人がいるという話になったら、話し方は考え方と通じてるから、考え方が似ている人は早口だったり訛っていたりしても割と理解できてしまうもので、逆に考え方のぜんぜん違う人はさっぱり何言ってるかわかんない、という現象が起きがちだと教えてくれた。すごくなっとくした。

慌てて帰宅してシャワーを浴びて、ハーモニー4。ハーモニー3のおさらいなのにわからないところがいくつもあって、焦った。ホールトーンの出現ルールと、ドリアンとメロディックマイナーの使い分け。授業が終わってもまだわかってないのでやばい。オフィスアワーに行くしかないな…。へこみながら帰宅して、仮眠。起きたら20時なのに、ちょうど陽が沈んだところで夕焼け。緯度が高いと、冬の日照不足でも気が狂うけど、いつまでも陽が沈まないのでも気が狂う感覚ある。急いで着替えて、カフェコンサートのサウンドチェックへ。

きょうのカフェコンサートは、エクアドルと日本のバークリー生が中心になって行う、震災を見舞うパフォーマンスだ。タイガくんにお声がけいただいて、ブラスとストリングスも入る大編成アンサンブルで4曲弾いた。エクアドル人のドラマーZakとパーカッションAlejandroとはだいぶ息が通じ合ってきて、いい感じ。でもやっぱり、特にコンポジションで、エクアドルの感覚はブラジルとも違う特殊な手触りがある。ひとつには音階もあるけど、それより曲調に緩急をつける手法が、交響曲よりテクノとかと似てて、シーケンスやトラックの抜き差しみたいに楽器を使うんだよね。ある意味トライバルだなーと思う。

いちばん新しい校舎の2階にあるカフェテリアでやったんだけど、お客さんもそこそこ入ったし、演奏はみんなそこそこ間違えたものの致命的なことも起きず、終始ノリノリで、受けもよく、成功だったのではないでしょうか。タイガくんはバンド全員に手書きでお礼状を書いていたりして、若いのに何てホスピタリティなんだろうと感心した。ああいうのおれはできないので、尊敬しちゃうな。おつかれさまでした。

それよりすげえ驚いたことがあって、あまりに当然ぽい雰囲気をまとっていたのでたぶんみんな気づいてないと思うんだけど、練習してこないからクビになったギタリストが、本番中にいきなし舞台に上がってきて!びっくりしてるギタリストからシールドを取って1番簡単な曲だけ弾いてった…。あれ、誰かと話ついてたのかな。とにかくおれもギタリストも聞いてなかったから呆気に取られてさー、舞台上で押し問答するわけにもいかないので演奏したけど、なんなの…。記念撮影にも参加してたから、あれたぶん、クビの事実を認めたくなかったってことなのかな。よくわかんないけど、たまげた。