パシフィック・リム、すごい面白かった。あんなにドガァ、ゴッパーンって凄い展開なのに、観終わったあとは何を観たのか思い出せないくらい、輪郭が淡雪のように溶けてなくなってしまった。すごい料理が出てきたとき夢中で食べ続けて、食べ終わったら何をどう食べていたのが思い出せないけど皿はもう空っぽである、とか、常軌を逸してるくらいダベりがハマってバカ笑いしつづけて夜が明けたけど、友達が帰ってみたら何かすごい笑ったことしか覚えてなくて何を話していたのかぜんぜん思い出せない、みたいな体験と似ている。

それは、ものすごい展開とサスペンスとエンターテインメントで満ちあふれた夢だったけど、そうだったことしか覚えてなくて、何の夢だったか思い出せない夢と同じで、それはつまり、夢ほども闊達に解き放たれた、きわめて優秀な映画だったということなんだろう、と思っています。というかあれは誰かの夢だったのではないだろうか。むしろ一般論としてよくできた映画とは誰かの夢なのではないだろうか。だとすればパシフィック・リムは極上品だと思う。

でも筋肉こわばりすぎて疲れたよ。翌朝寝坊した。ウサギを追うな。っていい言葉だよね。