無事起きられたのでアトリエに。僕の机が初めての子ばかりで、なかなか大変だったでしょうと言われたのだが、子供らの相手はどうにも一切、苦にならない。ただ親御さんの不安や苦悩は、同世代なこともあってダイレクトに刺さってきて、なかなかにしんどい。蕎麦食ってダベって帰った。

先週かな、友達の彼女が、その友達の誕生日会をうちで開きたいというので下見にやってきて、やってくるなり「こ、この家は呪われています〜〜」と(ちょっと往時のシノラー調で)、3時間ばかり調度や雑貨の位置を並べ替えたり整頓して帰っていったのだが(ちなみにあとで余計なことをしてスイマセンみたいなメールを送ってきたのだが、微塵も気分を害していない。まったくもって痛快に頼もしく思っている)、その子が観葉植物を買え、そしてここに置けと言ったので、帰り、上原の植物店で適当な大きさのがあったので、持ち帰って置いてみた。

しかしこの観葉植物というものが、たいへんなハードルであった。なにせ実家を出てこのかた、観葉植物なんてものを家に置こうと考えてことがついぞない。ないうえに明るくないし、明るくないものを求めるのは恐怖である。私の生きる上での厄介さが首をもたげてくる。

私は端的に言って恐がりなのだ。地図がないものにはまず手を出さない。たとえば掃除機を買うにしても、国内で流通している、すべてのとはいかないが9割がたの機種の傾向と特徴をつかみ、そのうえで自らの嗜好を見いだし、さらに価格面で合理的であることを確認して、そうして、買う。現行にほしいものがなければ過去に遡って買う。数時間から数週間の勉強ののちにはたいていの場合その道には明るくなっており、そして気づいたのだが、私はこの臆病さをお金に換えてきた。商品紹介の記事を作るというのは、大なり小なり、こういう道筋なのである。

そういうわけで、私はいま、割と観葉植物に詳しい。まったくお金に換えられる気がしないのだが。