会社から駅へと向かう道で、社員とすれ違う。どこの帰り?「〇〇です!(新しくできた施設)」どうだった?「くっだらねえ場所っす!」よしよし、君を採ってよかった。

ウルフと初めての諍いごと。どう立て直すか、立て直せるのか。関係性はいつもトラブルで試される。が、さすがに気が滅入り、仕事どころではなくなってしまう。

が、仕事する。するしかないんだ。

世間から5年ほど遅れて、自炊というやつに手を染めてみた。老眼が進んだせいで文庫本どころか単行本もつらくなってきていて、読書量が目に見えて(目が見えないのに目に見えてとはこれ如何に)落ちてきているのが動機だったのだが、やってみて実際のところ、iPad3で読む文庫本はほんとうに素晴らしい。人生にふたたび彩りが戻ってきたと言っていいくらい、書物にどれだけ彩りを与えられてきたのか痛感させられるくらい素晴らしい。

なにが紙の手触りだ、ぱらぱらめくれる検索性だ、読めてなんぼだったな、くだらねえ。極端な話だが、もう家の本あらかた切ってしまおうかと思っている。うさぎ!全3巻も切ってしまおうかと思っている。フィネガンズ・ウェイクも切ってしまおうかと思っている。監獄の誕生も象徴交換と死も切ってしまおうと思っている。アパートの女たちと僕も田紳遊楽も切ってしまおうと思っている。フローラ逍遥は…さすがにそれは許してください。