スタッフの最終出社日で、花束贈呈など。失恋やペットロスに並ぶ喪失としてスタッフロスという言葉を提唱したい。あばらの1本2本持ってかれたようなさびしさだが、当人にとっては晴れの門出である。笑って見送る。新しい人が来てくれるまで、エマージェンシーモードに入る。しばらくはバタバタするだろう。乗り切らねば。

組織論の基本として、替えの効かないパーツは持ってはならないという教えがある。用兵なんかでもそうだけど、個人に唯一性を付与して「その人がいないと成り立たない」、逆から言うと「あたしがいないとダメなんだ」という状況を作り出すことは、そのときどきでのモチベーションには寄与するけど、でもやっぱり組織は家族じゃなくて仕事だから、交替も生じるし生じさせなければならないときもある。そんときに困らないために、というわけだ。

でも僕は、そのときどきで困ってもいいかな、と思う。やっぱりどの人も替えの効かない、スペシャルな存在だと思うもん、実際。それを無理に隠蔽してブロックのパーツみたいに仕立てようたって、そう上手くいくもんじゃないよ、替えは効くだろうけど、確かにさ。だからいま困ってるのは甘受するし、来月やってくる新しい人も、今日去ったスタッフのリプレイスつうんじゃなくて、その人じゃなきゃできない仕事をしてほしいな、と、そう思うのでした。