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昼、おじゃがでプルコギ定食。僕が勝手に「おじゃがの君」と心の中で呼んでいる、いつも見かける女性がきょうもいて、いつものようにクリアファイルを繰りつつ仕事の準備をしていた。セルフサービスのコーヒーを注ぎに行くついでに、ちらと書類をのぞきこむ。蛍光ペンでマークされたエクセルのシートと、学習参考書みたいなコピーの束。タクヤくんと僕の間では、塾講師ではないかという推理がいまのところ有力だ。
昼食後に飲んだかゆみ止めの抗ヒスタミン剤が効きすぎて、たっぷり2時間、自席で上を向き口を開けたまま気絶ライクに寝ていたらしい。こりゃ参った。
以下断章;
アーちゃんさ、幼稚園で好きな男の子いんの?
「いるよ」
おー。どこが好きなの? かけっこが速い?
「ううん」
あれか、面白いこと言うんだ。
「ううん」
じゃどこが好きなの?
「うーん、好きになるって“どこが”とかじゃないんだよねー」
「ブログ見たわよ、老人と子供ばっか撮ってんのね」
あー。なんかそうなっちゃうんだよ、自然と。
「よっぽど怖いんだね、セックスが」
はは、何を言い出すかと思ったら。
「だってセックスしない生きものしか撮れないんでしょ」