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なんとかかんとか起き上がって、行くぜデートコース。永戸くんと、彼の家にPRIDEを見に来たはずがラチられてきたフィッシュデザインの落合さんとで待ち合わせて、入ったAX、キャッチ22。なんだーめちゃくちゃ音いいぞ。というか、デートコースとのマッチングがいいのだろうか。上も下も分離が良くて、リキッドみたいな迫力はないけどクリアな音像。ひとりひとりが何やってるのか完全に聞き取れる。そんでテレビの中継が入ってるせいかライティングが妙にシュアで、菊地さんは照明までいっしょにコンダクトしてるみたいだ。
その菊地さんは先日買ったってはしゃいでいたウサギかなんかの毛皮のロングコートを着込んで、ポケットに手突っ込んで猫背で、要するにタチの悪いウディ・アレンというかユダヤ人のチンピラだ。それが猛々しき牡牛たち(主に大儀見さん)を猛獣使いよろしく手懐けてひとつの音像が立ち現れる、という菊地さんが目指していたビジュアルは、コート一着でほぼ完成した印象。それにしても今日のキャッチは良かった。いわゆるマルチ・グルーヴというデートコース発足からのコンセプトが、もう4年に渡って聞いてるけど、これまででもっとも素直に身体に入ってくる感じ。同じことを続けて続けて、演奏がこなれてくるってことにはかくも説得力があるのだな、と。
中継が入ってちょっとみんな張り切ってるのかなあ(衣装含め)、って感じの飛ばしっぷりだったけど、ステイン・アライブで落ち着きを取り戻したのか、最後までダレることはなかった。ただ構造5はBPM早過ぎたのか前半もつれ気味で、2=3変換のテンポチェンジ(これ楽典的には何て言えばいいんですか?)のコントラストがわやくちゃになりそうで一瞬ハラハラしたけど。でもよく考えてみればよくあれライブでやるよなあ、ってレベルの課題ばっかりだし、よく考えてみればそんな律動の最前線でクラウドが盛り上がってるのもこれ、世界でも類を見ない光景だよなあ、もう慣れちゃってたけど。すげえなあ、世界は拡張できるのだなあ。俺自身も拡張されたのだなあ。
おつかれさまの楽屋で、永戸くんと落合さんを菊地さんに紹介する。落合さんは前に手がけた大江さんのファーストで菊地さんがライナーを書いていたからうっすら覚えていたようだ(原稿遅れたせいで印象100倍)。どうせ読者数も少ないここだからぶっちゃけて書いちゃうと、デートコースの次のビジュアルはこのふたりのタッグでやりゃあぴったしだよな! って俺がひとりで思いついて盛り上がっちゃったので、紹介したのだ。まあそううまく事は運ばないだろうけど、でもなんか、そうなったらすげえいいんじゃん? って思ったのだようん。楽屋はなんかバタバタだったので早々においとまして、永戸くんと落合さんとを連れて帰宅。3時ぐらいまでノンストップトーキン。